ノウハウ

人事コンサルタントの年収は?仕事内容から求められるスキルまで解説

栗田 謙人
更新日:2023/08/28

人事コンサルタントについて知る中で、年収の平均値が気になる人は少なくなさそうです。まずは人事コンサルタントがクライアント企業の人事をどのようにサポートするかを知りましょう。そうすると、年収への理解が深まるでしょう。

この記事では人事コンサルタントの年収を明らかにした上で、仕事内容や求められるスキルと共に解説します。

目次
  • 人事コンサルタントの平均年収は?
    • 人事コンサルタントの平均年収は500万円台後半
    • 人事コンサルタントの初任給の平均は20万円台後半
  • 人事コンサルタントの仕事内容
    • 人事戦略の策定
    • 採用支援
    • 人材育成・研修
    • 評価制度の構築
    • 人事制度の見直し
    • 労務管理
  • 人事コンサルタントに求められるスキル
    • 人事制度や労務管理に関する知識
    • コミュニケーションスキル
    • プロジェクトマネジメントスキル
    • データ分析スキル
  • 人事コンサルタントで役立つ資格
    • 人事総務検定
    • 社会保険労務士
    • 労働法務士 
  • 人事コンサルタントの将来性は?
  • 未経験から人事コンサルタントに転職は可能?
  • 人事コンサルタントへ転職し、年収アップを狙おう
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人事コンサルタントの平均年収は?

人事コンサルタントについて調べている人にとって、平均年収は気になるポイントの一つです。世の中の平均を知ることで、業界の理解に役立てましょう。

人事コンサルタントの平均年収は500万円台後半

求人ボックス(※1)によると、人事コンサルタントの平均年収は522万円でした。地方別に見ると、関東で545万円、近畿で498万円、その他で451万円となっています。

(※1)参考:求人ボックス 給料ナビ 人事コンサルタントの仕事の年収・時給・給料

人事コンサルタントの初任給の平均は20万円台後半

JobQ Town(※2)によると、人事コンサルタントの初任給は22〜45万円と業種によって差があるようです。企業規模によって求められる業務の範囲が大きく異なることも、初任給に差があることの一つの要因と考えられます。

(※2)参考:JobQ Town 【2023年版】人事コンサルタントの年収│仕事内容や企業ランキング!

人事コンサルタントの仕事内容

人事コンサルタントについて知る上で、具体的な仕事内容が気になるところです。企業の人事担当が外部のサポートを必要としている部分を把握し、コンサルタント業務の理解に繋げましょう。

人事戦略の策定

人事戦略とは、会社の目的を達成するために効果的な方法を、人材面から考える計画のことです。主に以下の内容を検討します。

  • 採用活動の方法
  • 人材育成
  • 部署の構成
  • 部署への配置人数

人事コンサルタントは上記の内容を検討し、クライアント企業がより成長するための仕組みを考えます。クライアントの要望は「離職率を下げたい」「専門的な技術を身につけてほしい」など企業ごとにさまざまであり、きめ細かいニーズを叶えるための試行錯誤が必要です。

採用支援

採用支援とは、会社に新たな人材を受け入れる方法を検討しアドバイスする業務のことです。会社の成長には、企業が望む資質を持った人材に入社してもらうことが必要です。求人広告の作成や募集方法の検討、採用試験のやり方までさまざまなアドバイスを行います。

近頃では、スタッフに代わり人事コンサルタントが採用業務を受け持つ代行サービスを行う業者もあるようです。アドバイスにとどまらず、実際に業務に携わってほしいとのニーズが存在するためと考えられます。

人材育成・研修

人事コンサルタントは、社員の育成やスキルアップのための研修のアドバイスを行うこともあります。多くの企業は社員の成長のために研修制度を設けていますが、思ったより効果が出ないと悩む担当者も少なくありません。

人事コンサルタントは、企業が目的を達成するために必要な研修プログラムを担当者と共に考えます。適切な研修の実施は社員の働きやすさに繋がる上、長い目で見ると会社の成長に貢献できる取り組みです。

評価制度の構築

評価制度とは、社員の働きぶりを査定し、給与などの処遇に反映させるための指標作りのことを指します。査定には社員が挙げた成果やスキル、勤務中の態度などを反映させますが、適切な評価には基準や方法を定めておくことが必要です。

人事コンサルタントは現在の評価基準が理にかなっているかを検討し、必要な部分のアドバイスを行います。評価制度の明確化は、社員のモチベーションアップにとどまらずスムーズで公平な査定に繋げるための重要な業務です。

人事制度の見直し

人事制度とは、社員を管理する取り組み全般を指し、前述の評価制度にも関連する仕組みです。人事制度は企業の規模や業務の変化によって、見直しが必要になるケースも少なくありません。

特に、テレワークが中心となっている企業も増え、目に見えない働きぶりの評価方法が検討されつつあります。ほかの企業の事情に詳しい人事コンサルタントが市場のトレンドや社員のニーズを取り入れ、柔軟に対応していくことが必要です。

労務管理

労務管理とは社員の働き方に関する手続きの総称のことで、具体的には以下のような業務を行います。

  • 給与計算
  • 勤怠管理
  • 社会保険手続き
  • 福利厚生

労働時間や給与に関する取り決めは、社員が働く上で気にする部分でもあります。特に近頃はブラック企業問題として、長時間労働や給与不払いなどの問題が指摘されるケースは少なくありません。社員とのトラブルに発展しないよう、人事コンサルタントが企業へ向けて明確なルールと正確な手続きへのアドバイスを行うことがあります。

人事コンサルタントに求められるスキル

人事コンサルタントの仕事内容を理解したところで、業務で求められるスキルについて気になる人は多そうです。企業の人事担当のアドバイス役として、高い視座が求められることを理解しましょう。

人事制度や労務管理に関する知識

人事コンサルタントとして働く上で、人事制度や労務管理に関する知識は欠かせません。企業が人事コンサルタントに依頼するのは、プロ目線のアドバイスを求めているからです。企業の人事担当の期待を越えられるアドバイスをするためには、業務に関する基本知識が備わっていることは大前提となります。

特に労務は法律に基づいて判断する必要がある上、ルールのアップデートにもスムーズに対応することが必要です。

コミュニケーションスキル

コミュニケーションスキルは、会社を目標達成に導く人事コンサルタントに重要な能力です。会社の仕組みを変える際、社員からの反対意見が足かせになり改善が難しいケースは少なくありません。人事コンサルタントには、よりよい会社経営には何が必要で、なぜ仕組みを変えなければならないかを論理的に説明する能力が必要です。

具体的には専門知識を噛み砕いて解説するスキルを持つ人や、相手に伝わる話し方ができる人が求められます。

プロジェクトマネジメントスキル

プロジェクトマネジメントスキルとは、業務をスムーズに遂行するための能力のことをいいます。人事コンサルタントは複数の業務を掛け持つことも多く、それぞれを同時進行するスキルが必要です。すべきことを一目で把握できるようなスケジュール管理や、わかりやすい進捗状況の記録が求められるでしょう。

また、チームの雰囲気がいいと全体進行がスムーズに進むことが多いものです。

関わる社員たちの士気を高めることも、人事コンサルタントに求められる役割の一つだと考えられます。

データ分析スキル

人事コンサルタントには、データ分析スキルが備わっている必要があります。クライアント企業に最適な方法を考えるには、人事に関するデータを比較し計画へ反映させる作業が必要です。データを的確に捉え、企業の人事担当が実践しやすい計画を立てるスキルが求められるでしょう。

データ分析能力は経験を積むことで磨かれるスキルでもあるので、最初のうちは一つひとつの案件を着実にこなしていく姿勢が重要です。

人事コンサルタントで役立つ資格

人事コンサルタントとして働く上で役立つ資格があれば、知っておきたいものです。人事コンサルタントに関連する資格の難易度はさまざまなので、自分の段階に合った内容で理解を深めましょう。

人事総務検定

人事総務検定とは、人材管理の知識や実務について評価する資格のことです。年金関連の知識や給与計算のスキルについても問われるので、取得すると人事コンサルタントの実務に役立つと考えられます。

難関国家資格と比べると取得しやすいとも言われているので、次節で紹介する社会保険労務士のステップアップとして勉強しておくこともおすすめです。階級は1〜3級の3段階に分かれているので、自身が取り組みたい級からチャレンジしましょう。

社会保険労務士

社会保険労務士とは、労働規則の整備や社会保険に関する手続きを行える国家資格のことです。人事においてルール整備業務は労力を要する仕事の一つであり、トラブルに繋がらないために慎重な検討が求められます。人事コンサルタントが社会保険労務士を持っていると、就業規則等のルール整備を一手に引き受けることができるでしょう。

また、社会保険労務士は社会保険のプロでもあり、手続きや相談対応からも企業へ貢献することができます。

参考:社労士試験の難易度|仕事内容や年収・やりがい・将来性について詳しく解説

労働法務士 

労働法務士とは、労働法の知識を広く学べる検定のことです。扱う知識は多岐にわたり、雇用に関する法律や外国人労働者受け入れの内容まで幅広く学ぶことができます。現時点では労働法全般の知識に自信がなく、人事で法律について理解したいと考える人に向いていると言えるでしょう。労働法務士試験の対策としてネット上で講座を視聴できるので、気になる人はチェックしてみてください。

人事コンサルタントの将来性は?

人事コンサルタントの将来性は高く、今後はクライアントからの多様なニーズに応えられる人材がより求められるでしょう。近頃の経済不安の中で、いかに効率的な経営ができるかを考える企業は少なくありません。

また、今後は海外展開を目指す企業も増えることが予想され、ニーズにさらなる広がりが見られると考えられます。人事コンサルタントは会社の資源である人材を最大限に生かし、企業の悩みを解決する職業です。既存の業務にとどまらず、クライアントからの幅広い要望に応えるための努力が求められるでしょう。

未経験から人事コンサルタントに転職は可能?

人事職に近い業務経験を持つ人は、未経験であっても人事コンサルタントへの転職は可能であると考えられます。人事コンサルタントへの転職には、人事部での経験が必須であると考える人は少なくないでしょう。

確かに人事部での経験は転職において有利になり得ますが、近頃ではポテンシャル採用をする企業もあるようです。特に、人材サービス会社の営業職や、組織に関わる業務経験を持つ人を評価する企業が増えています。今の会社で人事に関連する業務を受け持つチャンスがあれば、積極的に引き受けて経験値を高めることがおすすめです。

また、現在人事部で働いている人は、人事評価制度や報酬制度にも関わるようにしておきましょう。コンサルタントとして求められることの多い分野での経験を積んでおくことで、転職時のアピールポイントとなります。

人事コンサルタントへ転職し、年収アップを狙おう

人事コンサルタントは企業の人材管理をフォローするプロとして、基礎知識からデータ収集まで実用的なスキルを備えた職業です。人事コンサルタントに興味のある人は、自分の経験やスキルを棚卸しし転職で年収アップを狙いましょう。

また、人事コンサルタントへの転職にはSYNCAの利用がおすすめです。ほかのサイトでは探しにくい求人をスムーズに見つけ、自分にマッチする企業への転職を目指してください。

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株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。