簿記3級は転職に役立つ?狙える転職先や効果的なアピール方法を解説
「簿記3級は転職に役立つのか?」そんな疑問を解決するために、本記事では簿記3級が転職にどう活かせるのか、また、どのような職種を狙えるのかを明確にします。さらに、簿記3級を有効にアピールする方法も解説します。
本記事で、簿記3級を最大限に活用し、転職成功の確率を上げる道筋をつかみましょう。
- 日商簿記3級とは?
- 実務の中で活用できる資格
- 日商簿記3級の難易度
- 有利になるが過度な期待は禁物
- 求人数は多くない
- 経理・総務
- 会計事務所
- 税理士補助
- 簿記3級と簿記2級の年収を比較
- 簿記2級と簿記1級の年収を比較
- 簿記3級から、簿記2級を目指すには
- 1.他の資格と組み合わせてアピール
- 2.これまでの経験や成果をアピール
- 3.キャリアビジョンをアピール
- 営業
- 経営コンサルティング業
- システムエンジニア
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日商簿記3級とは?
日商簿記3級は、日本商工会議所が実施する簿記の資格試験で、基本的な商業簿記の知識と技能を証明します。貸借対照表や損益計算書を作成する能力が評価されます。
日商簿記は、その長い歴史と高い認知度があります。企業にとって、日商簿記は求めるスキルの一つとして認識され、就職・転職活動に有利です。また、2級、1級へとスキルアップが可能で、自身の成長を証明できます。
実務の中で活用できる資格
日商簿記3級は、経理や会計職への道を開く資格です。これらの職種では、企業の財務状況を把握し管理するための知識が必要となり、日商簿記3級はその基礎を学ぶ機会となります。
取引の記録、貸借対照表や損益計算書の作成など、実務で必要とされる基本的なスキルを身につけることができます。日商簿記3級は、経理や会計職としての基礎知識を鍛え、キャリアアップの可能性を広げる資格です。
日商簿記3級の難易度
日商簿記3級は、小規模企業の商業簿記の基本をカバーし、特に高度な知識やスキルを必要としません。理解すべきは貸借対照表や損益計算書の基本的な原則です。この難易度は、しっかりと学習し練習すれば十分に対応可能で、合格は決して遠い目標ではありません。
実際、日商簿記3級の合格率は40~50%と、適切な準備をすれば十分に合格が可能な範囲です。この資格は、簿記の世界への登竜門となり得ます。
簿記3級は転職に有利か?
簿記3級が転職に有利か否かを探るため、本章では以下のポイントに焦点を当てています。この評価基準を通じて、日商簿記3級を持つことが転職市場でどのように評価されるかを掘り下げます。
有利になるが過度な期待は禁物
簿記3級を取得することは、転職におけるある程度の有利さをもたらします。特に、会計や経理を専門とする職種や、ビジネス全般での役職においては、基本的な簿記の知識が求められることが多く、そうした状況で簿記3級の資格はプラスとなります。
しかし、過度な期待は禁物です。簿記3級は、簿記の基本的な原則と小規模企業の会計についての理解を証明する資格であり、高度なスキルを示すものではありません。
そのため、転職成功を保証するものではなく、あくまで一つの強みと考えるべきです。
求人数は多くない
確かに、簿記3級を取得していると一定の強みになります。しかし、残念ながら、簿記3級を必要とする求人数自体は多くはありません。特に大企業や、専門的な会計職を目指す場合、簿記2級やそれ以上の資格を求められることが一般的です。
簿記3級は、あくまで基本的な会計の知識と理解を示すもので、それ以上のスキルや知識を必要とする職種では不足となる可能性があります。したがって、簿記3級を活かすためには、それに合った職種や企業を探すことが重要です。
簿記3級で狙える転職先は?
簿記3級を取得した方が転職で目指せる職種は何でしょうか?次のセクションでは、簿記3級を持つ人々が狙える主な転職先を3つ探ります。これらの職種について具体的な詳細と、簿記3級がその職種にどのように役立つかを解説します。
経理・総務
簿記3級の知識は、経理に直結します。これらの職種では、日々の取引を正確に記録し、企業の財務状況を的確に理解するための基本的なスキルとして、簿記の知識が必要とされます。
経理は、簿記3級を取得した人々が追求できる最も一般的な職種の一つです。そのため、簿記3級の資格は、これらの職種における業務遂行能力を証明する一助となります。
会計事務所
会計事務所は、クライアントの会計・財務業務を支援し、税務に関する相談や記帳、税務申告の代行などを行います。こうした業務は全て、簿記の知識が深く関わっています。そのため、簿記3級の資格を持つことは、会計事務所での業務遂行に役立ちます。
それは、会計事務所での職務において、信頼性と専門性を提供し、クライアントに対して適切な助言とサポートを提供するために必要なスキルセットの一部となります。
税理士補助
税理士補助としての職は、簿記3級の資格を活用できる一つの道です。税理士補助は主に税理士のサポート役を果たし、日々の業務の中で簿記の知識を活用します。
税理士の独占業務(例えば税務申告の代理など)を行うことはできませんが、それに抵触しない範囲で、書類作成、データ整理、基本的な計算など、さまざまな業務を補助することが可能です。
そして、これらの補助業務は全て、簿記の基本的な知識を必要とします。そのため、簿記3級の資格は、税理士補助の仕事においても有用です。
キャリアアップを目指すなら簿記2級以上は必須
このセクションでは、簿記3級、2級、1級を取得した場合の年収の違いを比較しています。また、簿記3級から2級を目指していく方法について説明します。
簿記3級と簿記2級の年収を比較
簿記3級は新卒者や高校生が多く、平均年収は約200~300万円。簿記の基本知識が評価され、初任給向上につながります。
一方、簿記2級は更なる会計技術を持つことが期待され、その結果、年収は上昇します。実務未経験でも年収は250~350万円。そして、経験が1年以上ある場合、その範囲は300~480万円に増加します。つまり、簿記資格のレベルが上がるにつれ、収入も上昇する傾向にあります。
簿記2級と簿記1級の年収を比較
簿記2級の保有者は一般的に年収300~480万円の範囲ですが、これに対して簿記1級の保有者の年収は大幅に跳ね上がります。
簿記1級の就職先としては、会計事務所、大手企業の経理部門、コンサルティングファームなどが挙げられます。これらの求人は、高度な会計知識と経験を必要とし、それが給与に反映されます。具体的には、簿記1級の保有者の平均年収は約600万円とされています。
これにより、簿記資格が上がるにつれて、年収も確実に増加することがわかります。
参考:会計求人TOPICS「日商簿記1級・2級はすごい資格なのか?年収は上がるのか解説!」
簿記3級から、簿記2級を目指すには
簿記3級を持っていれば基本的な簿記の知識はすでに身についています。そのため、簿記2級を目指す場合、独学でも十分対応可能です。ただし、成功の鍵は十分な勉強時間を確保することです。具体的には、半年間の連続的な勉強時間を確保すれば、簿記2級の合格は現実的な目標となります。
簿記2級では、簿記3級よりも仕訳の数が増えるため、まずはこれらの仕訳を覚えることが重要です。これにより、より複雑な会計処理を理解し、実務で活用できるようになります。
簿記3級を転職に活かす方法
簿記3級を転職活動で効果的に活用するためには、どのようにアピールすべきでしょうか?以下では、他の資格との組み合わせ方、これまでの経験や成果のアピール方法、そして次のステップへの意欲をどのように示すか、といった具体的な方法について詳しく説明します。
これらを活用することで、あなたの転職活動がより成功に繋がることでしょう。
1.他の資格と組み合わせてアピール
簿記3級を持つことは一つの強みですが、それだけでは他の転職希望者と差別化するのは難しいかもしれません。そこで有効なのが、他の資格との組み合わせです。
たとえば、「FP3級」を取得することで、金融の知識も身につけていることを示すことができます。「ビジネス文書検定」や「秘書検定」を取得すれば、事務作業の能力を証明できます。
これらを組み合わせてアピールすることで、自身のスキルセットを幅広く、かつ深く示すことができ、転職活動において一歩リードすることが可能になります。
2.これまでの経験や成果をアピール
簿記3級を活かしてこれまでに経験してきた実務や、達成した成果を具体的にアピールすることは、転職活動における重要なポイントです。
資格だけではなく、それをどのように実務に活用してきたか、具体的な結果や改善点は何だったかを明確に伝えることで、あなたがその資格を活用して何を成し遂げられるのかを具体的にイメージさせることができます。
これは、あなたがその仕事に対する理解と能力を持っていることを示す強力な証拠になります。
3.キャリアビジョンをアピール
簿記3級保有者がさらにスキルアップを目指し、簿記2級や1級の取得を計画していると明示することは、自己成長への意欲や前向きな姿勢をアピールできます。
また、会社への貢献やキャリアビジョンを具体的に説明することで、将来性やモチベーションを伝えることができます。このような積極性は、採用側から見てポジティブな要素となります。
自己成長の意欲とそれによる会社への貢献があることを明示することは、転職活動での大きな強みとなります。
簿記3級は経理以外の職種でも活かせる?
簿記3級は経理職だけでなく、他の職種でもその知識を活かすことが可能です。以下では、営業、経営コンサルティング業、システムエンジニアの各職種での簿記3級の活用方法について詳しく解説します。
それぞれの職種で簿記の知識がどのように役立つのか、具体的に見ていきましょう。
営業
簿記3級の知識は営業職においても非常に役立ちます。商談時に財務情報を理解し、顧客のビジネス状況を把握するためには基本的な会計知識が必要です。
また、自社の製品やサービスが顧客の経営にどのように影響を与えるかを理解し、具体的な提案をするためにも、簿記知識は有効です。
経営コンサルティング業
経営コンサルティング業界では、クライアント企業のビジネスを理解し、最適な解決策を提案するために簿記の知識が必要となります。簿記3級の資格は、企業の財務状況や業績分析に関する基本的な知識を持つことを証明するものであり、コンサルティングの業務を遂行する上で大きな力となります。
また、コンサルティングはクライアントとの対話が重要で、その際に簿記知識を使って深いレベルでコミュニケーションを取ることは、信頼関係を構築するためにも有用です。
システムエンジニア
システムエンジニアとして会計システムや財務システムの開発を行う場合、簿記3級の知識は非常に役立ちます。これらのシステムは会計のルールや原則に基づいて設計・実装されるため、その知識を持つことでより効率的でユーザーフレンドリーなシステムを作ることが可能です。
また、ユーザーのニーズを理解し、その要求に応じたシステムを開発するためにも、基本的な簿記知識は必須といえるでしょう。
簿記3級資格は転職において強みになる
簿記3級資格は経理や会計の基本的な知識を持つことを証明するため、転職活動においては確実に強みとなります。
しかし、その強みを最大限に活用するには、資格のみならず、他のスキルや経験を組み合わせてアピールすること、次のステップへの意欲を示すことが重要です。これを機に、ぜひ簿記3級資格を取得し、自身のキャリアアップに活かしてみてはいかがでしょうか。
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2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。