ノウハウ

法務の採用方法とは?ポイントと失敗しないためにできることを解説

栗田 謙人
更新日:2023/10/06

法務は、企業内やお客様、取引先との間に起こりうる法律問題を未然に防いだり、トラブル発生時には適切な対処を行う役目があります。そのため、企業は優秀な法務を採用することで、突然のトラブルや問題を未然に防げるため、多くの企業で優秀な法務人材の採用を目指しているかと思います。

この記事では、企業経営者や採用担当者で法務人材の採用を目指しているものの「優秀な法務人材を採用したいけどなかなかうまくいかない」「法務人材の最適な採用方法がわからない」とお悩みを抱えている方に向けて、法務人材採用の方法をご紹介します。

目次
  • 法務求職者を採用する5つの方法
    • 方法1:ハローワーク
    • 方法2:求人広告
    • 方法3:転職サイト
    • 方法4:人材紹介サービス
    • 方法5:自社Webサイト
  • 法務の採用状況
  • 法務求職者を採用する際のポイント
    • 専門知識や経験
    • 人柄やコミュニケーション能力
    • 資格
  • 法務採用の失敗を防ぐ方法
    • 求める人物像を明確にする
    • 法務で働いている人の意見を参考にする
    • 人材紹介サービスを利用する
  • 採用方法を理解し優秀な人材確保を目指そう

法務求職者を採用する5つの方法

法務人材を採用する方法はさまざまです。以下では、代表的な法務人材採用方法を5つご紹介します。

すべての採用方法の特徴は異なるので、自社に合う採用用法を活用してみてください。

方法1:ハローワーク

ハローワークは、各都道府県の労務協が運営する公共職業安定所です。

企業は、ハローワークに依頼をすると、ハローワーク内の求人情報掲載場所に、自社の求人を無料で掲載できます。掲載求人は自社で準備する必要があります。ですが、ハローワークに求人掲載をすると、ハローワークに登録している求職者が自社の求人を発見し、応募を獲得しやすくなります。

ハローワークを利用するメリットは、費用がかからない点と、地域採用が可能な点です。無料掲載できるため、求人広告掲載費のような費用は一切かからずコストを抑えた採用活動ができます。また、ハローワークは各都道府県に住んでいる求職者が登録を行っているため、地域密着型の採用活動を行えます。

方法2:求人広告

求人広告は、インターネット上に求人情報を公開することで、多くの求職者にアプローチできるというメリットがあります。

人材紹介会社や自社の採用サイトだと、アプローチできる求職者が限られてしまい、なかなか多くの求職者へのアプローチができません。しかし、求人広告を掲載すると、インターネット上で求人を探している求職者の検索キーワードに合致すれば、求職者に自社の求人を見てもらうことが可能です。その結果、これまで出会えなかった人材と出会う確率が上がり、母集団形成がしやすくなります。

また、転職を考えていない人材に対して、広告として自社の求人を表示すできるため潜在層へのアプローチも可能です。潜在層へのアプローチは、採用市場で他社とバッティングする可能性がないため、自社の魅力をしっかり訴求することで確実に採用につなげられます。

方法3:転職サイト

転職サイトは、中途採用を考える企業にとって、基本的な採用方法の1つと言われています。

大手人材紹介をはじめ、さまざまな人材紹介会社が転職サイトを運営し、企業の求人情報を掲載しています。転職サイトへ求人を掲載すると、検索ワードやキーワードが合致した求職者が、求人を見て気になれば応募するという流れで、応募を獲得できます。

転職サイトには、総合型求人サイトと特化型求人サイトがあり、総合型の場合はあらゆる業界や職種の求人を取り扱っています。一方で、特化型求人際とは業種や職種、地域などに特化した求人を取り扱っているため、専門性に優れた求職者に出会う可能性が高いです。

法務人材の採用を考えている企業は、特化型求人サイトの利用を考えてみるのもオススメです。

方法4:人材紹介サービス

人材紹介サービスは、企業と求職者の間に担当コンサルタントが仲介役として入り、採用活動をサポートするサービスです。

具体的には、企業が自社で求める人材の要件を人材紹介に伝えると、人材紹介はサービスに登録している豊富な求職者のデータベースから、自社の要件に合う人材を紹介してくれます。その結果、企業は効率よく求める人材を採用でき、採用効率が格段に上がるため、多くの企業が取り入れている採用方法です。

人材紹介の費用は、成功報酬型が一般的で何人紹介を受けても、求職者が自社に入社するまでは費用が掛かりません。そのため、無駄な費用を抑えながら採用活動を進められます。成功報酬の費用は35%が基本ですが、最近は労働人口不足により、企業によっては成功報酬の料率を40%以上に引き上げ採用活動の強化を行っているケースも多いといわれています。利用を検討している企業は、採用市場を考慮しながら人材紹介と交渉を進めるようにしましょう。

方法5:自社Webサイト

自社の採用サイトで採用を行う方法もオススメです。

自社サイトのメリットは、自由にサイト内で発信をできるため、求人広告や人材紹介会社を利用した採用活動に比べてより自社の魅力や価値観を求職者に訴求できます。また、独自のアピールができるため他社との差別化がしやすいのがメリットです。

自社採用サイトを活用した採用方法は、より自社に適合した、活躍してもらえる人材を採用できる確率が高まることから、近年注目されている採用方法です。

ただし、他の採用方法に比べると効果が出るまでにある程度の時間が必要なため、今すぐに採用をしたいと考えている企業には向いていません。最低でも採用成功までに6か月はかかると考えておきましょう。

法務の採用状況

法務の業務は、契約法務、商事法務、訴訟・紛争法務、戦略法務、予防法務、国際法務の6つがあります。近年は、コンプライアンス重視とグローバル化の流れから、予防法務と国際法務の人材需要が高まっています。そのため、これらのスキルを持つ人材獲得への競争率は激化している状況です。

法務の年収は、一般的に以下のようなモデル年収が想定されています。

  • 30歳:600~700万円
  • 35歳:700~900万円
  • 40歳以上:900万円以上

弁護士資格を所有している場合、年収はさらに高くなる傾向です。弁護士資格を保有している人材は、企業からの需要が高く人材獲得が厳しいといわれています。

法務人材の転職理由はさまざまで、30代の求職者の場合は自身のキャリアパスを考慮したうえでの転職活動が多いです。現状行っている業務よりさらにレベルが高い契約や業務を担当したいと考える求職者や、年収アップを狙う求職者などさまざまです。さらにうえの40代になると、マネジメントに携わりたいと考える求職者が多いです。

自社が求める人物像やスキルに合わせて、ターゲットに合った採用活動をすることが法務人材の採用につながるので、市場の法務採用状況を理解し計画を立てることがオススメです。

法務求職者を採用する際のポイント

法務人材を採用する際は、採用時のポイントを理解したうえで採用活動をするようにしてください。

ポイントを理解しないまま採用活動を進めてしまうと、ミスマッチな人材を採用する可能性があります。これから紹介する3つのポイントを参考にしてみてください。

専門知識や経験

法務は、専門知識を必要とする専門性に特化した職種です。法務人材を採用する際は、求職者の知識や経験を確認するようにしてください。

企業によって、法務人材を必要とする理由は異なります。自社では、求める法務人材に何を任せたいのかを明確にしたうえで、求職者にそのスキルはあるかを確認するようにしてください。具体的には、前職での経験や保有資格を確かめると、スキルをある程度はかることが可能です。

法務の場合だと、専門的な資格が多く、弁護士資格や司法試験、さらにはビジネス事務法務検定などを所有しているかを確認することをオススメします。また、国際法務を任せたいと考える企業は、求職者のTOEIC点数を確認することで、どの程度英語力があるかも確認するようにしてください。

人柄やコミュニケーション能力

法務職は、トラブルを未然に防いだり、トラブル発生時には迅速に対処する必要があります。その際、自分勝手な人柄や相手とのコミュニケーションがうまくできない人材では、トラブル解決は絶対にできません。法務人材は、周りの人から信頼される人柄であり、適切なコミュニケーションが取れる人材である必要があります。

もちろん、トラブル発生時法務は自社に有利になるように交渉を進めるべきですが、一概に訴訟と決めずに和解という選択肢を提案したり、相手が納得できる交渉を進めることで、その後の関係性を保つことができます。法務の対応や人柄で、今後の関係に大きな影響を与えるといっても過言ではないため、法務人材を採用する際は人柄やコミュニケーション能力をしっかり確かめるようにしてください。

資格

法務の資格は、士業に関する資格が多いです。これらの資格の特徴は、難易度が高いということです。そのため、資格保有者は法務や弁護士になるために高い意欲をもって勉強に取り組んできた人であり、法務に対する関心や興味がある人だといえます。

士業資格には、弁護士・司法書士・行政書士・公認会計士・税理士・社会保険労務士などがあります。

一般的に、100時間以上勉強が必要と言われている資格です。そのため、実務能力や知識の高さが証明されるだけでなく、法律に対する高い関心意欲がある人材だと判断できるでしょう。保有資格は法務人材を採用する際のポイントとして意識しておいてください。

法務採用の失敗を防ぐ方法

ミスマッチの人材を採用してしまうと、早期離職やトラブル発生につながる可能性があります。そのため、法務人事を採用する際はあらかじめ準備を行い、ミスマッチの採用をしないようにしてください。

以下では採用を失敗させないための方法を解説します。参考にしてください。

求める人物像を明確にする

採用を失敗させないためには、採用活動を開始する前に具体的な人物像を設定するようにしましょう。

人物像を設定する際は、採用担当者だけでなく配属先の部署や経営者も巻き込んで、ペルソナを作ることがオススメです。ペルソナとは、マーケティング用語で、ターゲットになる人材を架空の人物の年齢や性別、居住地や年収、ライフスタイルなどを設定し、ターゲットに合わせた訴求方法を考える方法です。

採用活動の場合、最初にどのような人物像が自社に合うかを想定し、求めるスキルや人柄、経験を考えたうえでペルソナを設定しましょう。そうすることで、ターゲットに合う求人の打ち出し方やアピールの仕方を見つけられます。

その結果、求める人材に出会える可能性が格段に上がります。興味がある方は、実践してみてください。

法務で働いている人の意見を参考にする

求職者が配属される部署ではどのような人材が活躍しているか、どのような働き方をしているか、さらにどのような人材であれば既存社員に合うかを確認するようにしてください。

確認方法は、実際に法務で働いている人に聞くようにしてください。実際に働いているからこそ感じることやわかることがたくさんあります。採用担当者の目線では気がつかないことも、法務だからこそ気づくことが多いです。

意見を聞くためには、日ごろから他部署とのコミュニケーションが重要です。採用担当者は採用活動を開始した時に、既存社員が協力を快くしてくれる関係つくりを日ごろから構築しておきましょう。

人材紹介サービスを利用する

人材紹介サービスを利用すれば、人材紹介会社から自社が求める人物に出会え、ミスマッチを防げます。

人材紹介会社には、総合型と専門性に特化した2種類があります。法務人材の採用であれば、専門知識や法務の経験をしている求職者の登録が比較的多い専門性に特化した人材紹介会社の利用がオススメです。また、人材紹介会社によって登録している求職者のスキルレベルが異なるため、経験者採用を考えている場合はハイクラス人材に特化した人材紹介会社がいいでしょう。

WARC AGENTは、ハイクラス人材紹介に強い人材紹介会社で、法務経験者の採用を考えている企業にはオススメの人材紹介サービスです。

総合型の転職エージェントでありながら、専門スキルが強い求職者が豊富なため、ハイクラス人材を採用したい採用担当者は利用を検討してみてください。

採用方法を理解し優秀な人材確保を目指そう

専門性に特化した法務人材の確保は、採用方法を工夫すれば効率的に採用をすることができます。

労働咽喉不足で人材確保が難しいと言われていますが、転職エージェントを利用すれば効率的に自社に合う人材を見つけることができます。

ハイクラス人材、専門性知識に特化した人材確保にはWARC AGENTの利用がオススメです。WARC AGENTを利用して優秀な法務人材採用を目指してみてください。

株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。