簿記2級は経理職への転職に有利?|年齢不問・実務未経験でも転職できる!
簿記2級とはどのような資格なのか、気になっている方も多いでしょう。特に経理職への転職を考えている場合、簿記2級を取ったほうがよいかどうかを迷っているかもしれません。
この記事では、簿記2級の概要や評価、簿記2級が活かせる仕事などをご紹介します。あわせて経理職への転職と簿記2級との相性、経理職への転職のコツや対策にも触れていくので、参考にしてください。
- 簿記2級にはどんな価値がある?
- 簿記2級のレベル
- 簿記2級が活かせる職業
- 簿記2級の評価
- 簿記2級保有者優遇の求人が多い
- 経理職への転職は年齢は関係ある?
- 経理職の転職は適した時期がある
- 簿記資格取得だけでなく面接対策も重要
簿記2級にはどんな価値がある?
簿記検定には「日商簿記」「全経簿記」「全商簿記」の3種類があります。このうち、日本商工会議所が主催する「日商簿記」が最も規模が大きく、知名度も高いものです。
3種類の簿記検定の違いは、簡単にいうと難易度と受験対象者の違いです。必ずしもというわけではありませんが、全経簿記は経理専門学校の生徒、全商簿記は商業高校の生徒に向けた難易度です。これらの検定に対して、日商簿記は社会人向けの試験で難易度は高く、合格率も他の2種類に比べて低い試験となっています。
したがって社会で通用する簿記の資格といえば日商簿記、といわれることもよくあります。日商簿記2級資格は、財務諸表をみて経営内容を把握するなど、経営管理に役立つ高度な簿記および財務の知識があることを証明するものです。
簿記2級のレベル
日商簿記には、1級から3級と、初級、原価計算初級の5段階のレベルが設定されています。まずはそれぞれの級の試験科目や対象者、難易度について下記の表で確認してみましょう。
簿記のレベル | 科目 | 対象者 | 難易度 |
---|---|---|---|
1級 | (例)商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算 | 大企業経営者、会計指導者 | 合格率7~10% |
2級 | (例)商業簿記、工業簿記 | 中小企業経営社、会計主任 | 合格率20~30% |
3級 | (例)商業簿記 | 中小企業経理部、一般記帳者、営業・管理部門 | 合格率30~50% |
初級 | (例)商業簿記(入門) | 商業簿記入門者 | 合格率50~60% |
原価計算書初級 | (例)工業簿記(入門) | 工業簿記入門者 | 合格率80~90% |
1級と2級との大きな違いは、科目数が2級では1級の半分に留まるということです。学習時間も、2級合格には平均で250~500時間とされるのに対し、1級合格には500~1,000時間がかかるといわれます。
また採点方式にも差があるのが特徴です。2級はおよそ70点が取れれば合格になるのに対し、1級に関しては点数ではなく、受検者の上位10%前後が合格者とされるところにも難しさがあります。
簿記2級が活かせる職業
簿記2級の資格は、簿記の基礎だけではなく、実務レベルにより近い内容の技術と知識を習得できます。したがって簿記2級の資格保有者は即戦力とみなされ、転職や就職の際にも有利になるのがメリットです。
簿記2級が活かせる職業には、以下のようなものがあります。年収については経験などによっても差が出るため、目安を記載しています。
【簿記2級が活かせる職業】
- 中小企業の経理部 年収約450万円
- 会計事務所 年収約470万円
- 保険会社 年収約460万円
- 証券会社 年収約600万円
- 銀行 年収約600万円
なお、簿記1級が活かせる職業としては、企業の経理部、財務、マーケティングや経営管理の仕事があります。
簿記2級は転職に有利?
一般的には転職の際、資格としてアピールができるのは簿記2級以上です。実際に簿記2級の資格を保有することで、採用時にどのような評価を得られるかをご紹介します。
簿記2級の評価
簿記2級は就職および転職市場において、以下のように評価されます。
- 経理に関する一定以上の知識がある
- 努力家で勤勉である
まず簿記2級に関して、資格試験の主催者である商工会議所では以下のように定義しています。
「企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル」
(出典:商工会議所『簿記2級』)
したがって簿記2級を取得していると、「経理に関する知識は一通り理解している人材である」とみなされ、就職や転職の際には相応の評価がなされます。
また先述のとおり簿記2級の合格率は20~30%程度になることが多く、合格するためには250~500時間もの学習時間が必要です。すなわち簿記2級の資格は、たくさん勉強をした証でもあり、資格の保有者は努力家であるという印象も持たれやすくなります。
簿記2級保有者優遇の求人が多い
実際の求人を見ると、未経験者歓迎と記載している企業であっても、簿記2級取得者優遇、あるいは歓迎、といった表記がされているケースが多々あります。求人の表記からも、転職の際には有利になることがわかります。
ただし、簿記2級を持っていれば必ず採用されるというわけではありません。年齢、実務経験の有無、応募者の多寡、地域性、人柄といったことも大いに関与します。
実務未経験でも簿記2級があれば転職できる?
実務未経験でも簿記2級があれば転職できるか、特に実務経験のない方にとっては気になることでしょう。
結論として、未経験でも簿記2級の保有者を歓迎している経理の求人は、実際にたくさんあります。一方で経験者優遇や、即戦力を求める求人も多数あるため、求人内容はあらかじめよく確認しましょう。
未経験で就職した場合、最初は経験者のアシスタント(補助)業務を行うのが一般的です。上司や先輩について簡単なデータ入力などからはじめ、少しずつ知識を身につけていきます。未経験であればなおさら、実務レベルの知識が身に付く簿記2級の資格を保有していることが、転職の際も、実務に就いてからも有利に働きます。簿記2級程度の知識があれば、最初はアシスタントであっても業務内容の把握が早く、即戦力として成長が見込めるでしょう。
なお、経理の仕事への転職をするなら、簿記2級以外にパソコンスキルも身につけておくことがおすすめです。
経理職への転職は年齢は関係ある?
転職市場においては、市場価値や需要の高い年齢は20代後半~30代後半です。この年代であれば、経理の経験はなくても、それまでの社会経験などで社会人としてのマナーが身に付いていると考えられます。一方でフットワークがよく、成長幅もまだ大きいと判断されるため、この世代の転職者を積極的に求める企業が多いのです。
しかし求人広告では年齢の制限が禁止されているため、40代や50代であっても求人への応募資格があります。経理職への転職も、年齢を理由に諦める必要はありません。とはいえ、長年勤めた企業を退職して転職するようなケースでは、年収が下がる可能性が高いことも考慮しましょう。求人の応募要項に【40代も活躍中】や【ベテラン歓迎】などの文言があれば期待できます。よく読み、自分が馴染めそうな環境であるかを必ず確認してください。
経理への転職活動時におさえておきたいポイント
経理職へ転職する際のポイントには、以下のようなものがあります。
経理への転職活動時のポイント
- 経理職の転職は適した時期がある
- 簿記資格取得だけでなく面接対策も重要
それぞれについて解説します。
経理職の転職は適した時期がある
経理職の求人は1~2月、もしくは6~7月ごろに積極的に公開される傾向があります。
日本では企業の決算が3月末におこなわれることが多いため、経理の第一の繁忙期は決算直後の4月、さらに税務申告をおこなう5月です。したがって4~5月に向けて人手を確保するため、まずは1~2月に求人が増えます。次に求人が増えるのが6~7月ですが、これは株主総会が終わり、経理の繁忙期が過ぎて、人材確保に時間や人手を割く余裕が生じるためです。余裕のあるときに優秀な人材を確保しようという企業が増える、転職のチャンスといえるでしょう。
なおこれらとは別に、1月入社をめどにした転職者の増える10~11月も、優秀な人材を確保するために求人が増える傾向にあります。4~5月に向けて、人材育成の時間もあることから、未経験歓迎の求人も多くなるチャンスです。
簿記資格取得だけでなく面接対策も重要
つい簿記2級の資格に注目してしまいがちですが、面接対策も重要なポイントです。資格があれば採用されるというわけではありません。面接でしっかりいいパフォーマンスができるよう対策する必要があります。
経理の面接では、具体的な経理の知識を問われることもありますし、経験者は実務に関する意欲や工夫を聞かれることもあります。自己PR、転職理由や志望動機などを問われるのは、経理以外の面接と変わりません。企業の理念や経営方針などをよく理解して面接に臨みましょう。
将来のキャリアをどのように考えているかまとめるほか、逆質問についても対応できるよう準備しておくと安心です。
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まとめ
簿記2級は簿記や財務に関する高度な知識があることを示すもので、取得していれば即戦力としてみなされることが多いため、転職のときにも役立ちます。また、根気よく勉強できる真面目さを認められることもあり、さまざまな意味で転職には有利となるため取得をおすすめできる資格です。
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2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。