税理士の資格(税理士試験)とは|税理士になるまでの流れと2023年以降の受講資格を解説!
いろいろな国家資格がある中で、税理士資格は非常に難易度の高い試験の1つであると言われています。税理士を目指している人にとって、税理士資格がどれほど難しく、どれくらいの期間が必要になるのか気になるところでしょう。 この記事では税理士になるために必要な期間や税理士登録までの流れを紹介します。あわせて、税理士試験科目の選び方のポイントいついても紹介するため、学習計画を立てるのに役立ててください。
- 税理士になるためには資格の取得が必須
- 税理士試験の受験資格
- 学識による受験資格(税法科目)
- 資格による受験資格(税法科目)
- 職歴による受験資格(税法科目)
- 税理士試験の日程
- 税理士試験の試験科目
- 税理士試験の難易度
- 科目別の合格率
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税理士になるためには資格の取得が必須
税理士になるためには、国家試験である税理士の試験に合格し、税理士としての資格を取得する必要があります。また、税理士試験に合格しただけでは税理士を名乗ることはできません。実務経験を積むなど段階を経て、ようやく税理士として登録ができるのです。
税理士になるための一般的な流れは以下の通りです。
【税理士になるまでの基本的な流れ】
- 受験資格を得る
- 税理士試験に合格する
- 日本税理士連合会へ登録する
上記のように税理士試験に合格して資格取得する流れが最も一般的ですが、以下の条件を満たしていれば、税理士試験を免除することができます。
- 弁護士資格取得者
- 公認会計士資格取得者
税理士試験の受験資格
税理士の受験資格は2023年4月から条件が緩和されます。
税理士試験の受験科目には会計科目と税法科目の2種類がありますが、2023年4月から会計科目に関しては誰でも受験できるようになります。
一方税法科目については、以下で紹介する学識・資格・職歴による受験資格のいずれか1つを満たせば受験資格を得ることができます。
十分な試験勉強はもちろん必須ですが、受験資格が緩和したことで税理士を目指しやすくなるでしょう。
学識による受験資格(税法科目)
税法科目の学識による受験資格は以下の通りです。
【学識による受験科目資格】
- 大学・短大または高等専門学校を卒業し、社会科学の科目を1科目履修した人
- 大学3年次以上の学生で、社会科学の科目を1科目以上含む62単位以上を取得した人
- 一定の専修学校の専門課程を修了しており、社会科学の科目を1科目以上履修した人
- 公認会計士試験の短答式試験に合格した人
資格による受験資格(税法科目)
税法科目の資格による受験資格は以下の通りです。
【資格による受験資格】
- 日商簿記検定1級以上合格者
- 全経簿記検定上級合格者
日商簿記検定1級の合格率は10%前後、勉強時間の目安は600~800時間と言われています。また全経簿記検定上級の合格率は20%前後、勉強時間の目安は400~700時間程度です。
職歴による受験資格(税法科目)
税法科目の職歴による受験資格は以下の通りです。
【職歴による受験資格】
- 銀行、信託会社、保険会社などで資金の貸付・運用に関する事務を2年以上経験した人
- 法人または事業を営む個人の会計に関する事務を2年以上経験した人
- 税理士、弁護士、公認会計士などの業務補助の事務を2年以上経験した人
参照:日本税理士会連合会
税理士試験の概要
税理士になるためには、税理士試験に合格することが必須条件です。税理士資格を取得することで、税務署などへの申告・申請を行う税務代理や税務書類の作成、税務相談などの独占業務を行うことができるようになります。
上記でも紹介した通り、弁護士もしくは公認会計士の資格を持っている人は税理士試験がすべて免除になりますが、以下の要件を満たす人は、税理士試験の一部が免除されます。
【税理士試験の一部免除の要件】
- 修士又は博士の学位を授与された者は、試験の一部が免除
- 10年又は15年以上税務署に勤務した国税従事者は、税法に属する科目が免除
- 23年又は28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者は、会計学に属する科目が免除
税理士試験の日程
税理士試験は、年に1回、毎年8月に実施されています。各国税局・国税事務所の所在地等(全国12~16か所)が実施します。受験案内や受験願書を各国税局にて請求し、決められた期間に提出することで試験を受けることができます。願書の提出は国税局に直接持ち込むことはできないため、注意が必要です。
税理士試験の試験科目
税理士試験の科目は、1以下の11科目の中から選択した5科目に合格することが必要です。ただし1度に5科目受ける必要はなく、1年に1科目ずつ受験し、数年かけて受験することもできます。合計で5科目合格した時点で税理士試験に通ったことになります。合格ラインは60%です。
【税理士試験の必修2科目(会計学科目)】
- 簿記論:450~500時間
- 財務諸表論:450~500時間
【税理士試験の選択3科目(税法科目)】
- 所得税法(選択必須):600~700時間
- 法人税法(選択必須):600時間
- 相続税法:450~500時間
- 消費税法:450~500時間
- 酒税法:150~200時間
- 国税徴収法:150時間
- 住民税:200時間
- 事業税法:200~250時間
- 固定資産税:250時間
税理士試験に合格するために必要な勉強時間は3000時間前後といわれています。
科目によって、必要だといわれる勉強時間に差がありますが、自身の知識や得意分野、実務経験などによって必要な勉強時間は異なります。より短期間に効率よく合格するためにもしっかり学習計画を立てるようにしましょう。また科目によって理論問題と計算問題の比率が異なるので、得意な方を選ぶのもいいかもしれません。
また受験料は科目数ごとに以下のように設定されています。
- 1科目:4,000円
- 2科目:5,500円
- 3科目:7,000円
- 4科目:8,500円
- 5科目:10,000円
税理士試験の難易度
税理士試験は、弁護士や公認会計士に続く難関資格の一つです。
税理士の難易度を示す数字として、合格率が挙げられます。合格率は毎年変動するものであり、難易度は必ずしもイコールではありませんが、税理士試験は誰でも受けられる試験ではなく一定以上の受験資格が定められているため、一つの指標として参考になります。
【税理士試験の合格率】
実施年 | 合格率 |
---|---|
2019年 | 15.5% |
2020年 | 17.3% |
2021年 | 16.5% |
弁護士試験の合格率は30~40%、公認会計士の合格率は10%前後です。
税理士の試験の合格率は決して高くはありませんが、1科目ずつ受験できることを考慮すると、数年間モチベーションを落とさずに計画的に勉強を続けていくことが合格するための秘訣といえるかもしれません。
科目別の合格率
税理士試験の科目別の合格率は以下の通りです。
2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|
簿記論 | 17.4% | 22.6% | 16.5% |
財務諸表論 | 18.9% | 19.0% | 23.9% |
所得税法 | 12.8% | 12.0% | 12.6% |
法人税法 | 14.7% | 16.1% | 12.8% |
相続税法 | 11.7% | 10.6% | 12.8% |
消費税法 | 11.9% | 12.5% | 11.9% |
酒税法 | 12.4% | 13.9% | 12.6% |
国税徴収法 | 12.7% | 12.2% | 13.7% |
住民税 | 19% | 18.1% | 12.7% |
事業税 | 14.8% | 13.1% | 12.6% |
固定資産税 | 13.7% | 13.7% | 13.8% |
科目ごとの合格率を比較すると、比較的合格しやすい科目があることがわかります。どの科目を受けるか迷っている場合の参考に、上記で紹介した勉強時間や自身のスキルと比較しながら選択するといいでしょう。
参照:令和元年度(第69回)税理士試験結果
令和2年度(第70回)税理士試験結果
令和3年度(第71回)税理士試験結果
日本税理士会連合会に登録する
税理士試験に合格後、日本税理士会連合会に税理士として登録することで、税理士を名乗れるようになります。ただし登録するためには合格するだけでなく、通算2年以上の実務経験が必要です。これは受験前の実務経験も含まれます。
日本税理士会連合会に登録するには、面接や書類の審査、登録料の支払いなどが必要です。
【日本税理士会連合会への登録に必要な書類】
- 税理士登録申請書
- 登録免許税領収証書(6万円)
- 登録手数料(5万円)
- 本人写真
- 本籍の記載のある世帯全員の住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)
- 登記されていないことの証明書(東京法務局が発行するもの)
- 身分(身元)証明書(本籍地の市区町村が発行したもの)
- 資格を証する書類
- 履歴書
- 誓約書
- 税理士会会長宛の誓約書
- 直近2年分の確定申告書のコピーまたは住民税の課税証明書
- はがき(日税連指定のもの)
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税理士を目指している人は、税理士試験合格を目指しながら、実務経験も積める職場に就職しておくと効率がいいです。実務をこなすことで、試験科目の知識に対する理解を実務レベルで理解でき、試験合格後に既に実務を2年経験していればすぐに税理士会連合会に登録することできます。
SYNCAではバックオフィスや会計・経理などの専門職を取り扱っており、専門のキャリアアドバイザーもついているため、企業とのミスマッチを防ぐことができます。税理士試験の合格を目指しながらキャリアアップしたい旨を相談しながら、自身に合った職場を見つけることができるでしょう。
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税理士試験は戦略的に臨むのがポイント
税理士になるには税理士試験に合格し、2年の実務経験を積むことが必要です。税理士資格は難易度が高く、科目数も多い資格ですが、学習計画をしっかり立てて戦略的に臨むことがポイントです。税理士試験の合格を目指しつつ、実務経験も同時に積めるような職場を見つけることでより効率的にキャリアを獲得することができます。
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2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。