簿記3級の合格率と難易度の推移|簿記3級を取得するメリットについて紹介
経理の仕事で役立つ資格といえば、簿記検定が浮かぶ人が多いでしょう。経理や会計の初心者の方であれば、まずは簿記3級の取得を目指すといいでしょう。ここでは、簿記検定3級の概要や資格を取得するメリットを紹介します。ビジネスパーソンとしてキャリアアップを目指したい人や会計職を目指している人は、簿記検定3級の合格率や難易度を把握して、効率よく勉強するための手がかりにしてください。
- 簿記3級ってどんな資格?
- 簿記3級は経理関連の入門資格
- 簿記3級の合格率の推移
- 簿記3級の受験資格
- 簿記3級の試験内容
- 簿記 3級の勉強方法
- 数字で企業の実態を分析できるようになる
- ビジネストークの幅が広がる
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簿記3級ってどんな資格?
経理や会計に役立つ資格といえば、一番に思いつくのが簿記検定ではないでしょうか?簿記検定は主催元によって、以下の4種類に分かれています。なかでも日本商工会議所が主催する日商簿記は最も規模が大きく、知名度が高いです。一般的に簿記というと、多くは日商簿記のことを指します。
簿記検定の種類
簿記検定の種類 | 日商簿記 | 全商簿記 | 全経簿記 | 日ビ簿記 |
---|---|---|---|---|
検定名 | 簿記検定試験 | 簿記実務検定試験 | 簿記能力検定試験 | 簿記能力検定試験 |
主催者 | 日本商工会議所 | 全国商業高等学校協会 | 全国経理教育協会 | 日本ビジネス技能検定協会 |
対象 | 一般社会人 | 商業科・商業高校の高校生 | 経理・会計専門学校の学生 | 一般社会人 |
級 | 1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級 | 1級・2級・3級 | 上級・1級・2級・3級・基礎 |
就活や転職活動でのアピール材料にするなら日商簿記がおすすめです。 また簿記検定は受験資格に関して制限がないため、誰でも挑戦することができます。
簿記3級は経理関連の入門資格
日商引き検定は、以下の表で紹介する通り5つのレベルに分かれています。
簿記3級は入門的なレベルで、経理や会計に関する基本的な知識があることを証明できる資格です。そのため、経理・会計職に限らず、すべてのビジネスパーソンにおすすめできます。
対して簿記2級はより専門的な知識を有していることを証明できるため、経理・会計職を目指すのであれば2級以上を目指すのがおすすめです。
簿記のレベル | 科目 | 対象者 | 難易度 |
---|---|---|---|
1級 | (例)商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算 | 大企業経営者、会計指導者 | 合格率約10% |
2級 | (例)商業簿記、工業簿記 | 中小企業経営社、会計主任 | 合格率15% |
3級 | (例)商業簿記 | 中小企業経理部、一般記帳者、営業・管理部門 | 合格率45% |
初級 | (例)商業簿記(入門) | 商業簿記入門者 | 合格率約50% |
原価計算書初級 | (例)工業簿記(入門) | 工業簿記入門者 | 合格率約90% |
簿記3級の概要
日商簿記3級及び2級の試験は年に3回実施されます。 試験時間は60分の記述式で統一試験と呼ばれています。2021年からインターネットによるネット試験が導入されており、ネット上で試験を受けることもできます。 簿記3級では基本的な商業簿記について理解し、小規模企業における企業活動や会計処理、経理関連書類を行えるレベルが必要となります。
簿記3級の合格率の推移
日商簿記3級は入門レベルであることもあり、そこまで難易度は高くありません。難易度の目安として過去10回の合格率を以下の表にまとめました。合格率は毎回試験ごとに異なり、合格率が高い=レベルが低いというわけではないことは理解しておきましょう。
回 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
162回(2022/11/20) | 32,422人 | 9,786人 | 30.2% |
161回(2022/6/12) | 36,654人 | 16,770人 | 45.8% |
160回(2022/2/27) | 44,218人 | 22,512 | 50.9% |
159回(2021/11/21) | 49,095 | 13,296 | 27.1% |
158回(2021/6/13) | 49,313 | 14,252 | 28.9% |
157回(2021/2/28) | 59,747 | 40,129 | 67.2% |
156回(2020/11/15) | 64,665 | 30,654 | 47.4% |
154回(2020/2/23) | 76,896 | 37,744 | 49.1% |
153回(2019/11/17) | 80,130 | 34,519 | 43.1% |
152回(2019/6/9) | 72,435 | 40,624 | 56.1% |
※155回は新型コロナの影響で中止
簿記3級の合格率は27~67%と、試験によって開きがありますが、平均的に2級よりは合格率は高く設定されていることがわかります。合格率を他の試験と比較すると、介護福祉士70%程度、衛生管理者45~50%、税理士試験は15~20%、社労士6~7%となっています。
簿記3級の受験資格
日商簿記検定は3級だけでなく、他の級も受験資格に特別な要件はありません。そのため、学生や社会人、初めて会計・経理関係に挑戦する人など、どのような方でも挑戦できます。
これから経・会計職を目指したい人や、ビジネスパーソンとしてキャリアアップをしたい方にも挑戦しやすい資格でしょう。
簿記3級の試験内容
簿記3級の試験時間は60分で、商業簿記が3題程度出題されます。合格ラインは70%です。
また2019年度から出題の前提が個人商店から小規模の株式会社に改訂されており、より現代のビジネス社会に沿った内容になっています。
簿記検定3級の出題範囲
- 簿記の基本原理
- 諸取引の処理
- 決算
- 株式会社会計
簿記 3級の勉強方法
勉強時間の目安は80~100時間だといわれています。
これは仮に社会人が働きながら1日2〜3時間勉強した場合、1ヶ月前後で達成できる時間設定です。資格の専門学校に通う方法もありますが、簿記3級であれば独学で試験に合格することも難しくないでしょう。
最初は全体像を理解するために参考書を読みながら知識をインプットしたのちに問題集を解きながら、自分が理解できていない分野を把握します。苦手な分野が分かれば、重点的に勉強をし、弱点を克服していきましょう。
簿記3級はこんな人におすすめ!
上述しましたが簿記検定の3級は会計の入門レベル、2級は専門レベル、1級はスペシャリストでという位置付けです。これまで経理・会計に全く触れたことのない人など、初心者は簿記3級から挑戦するのがおすすめです。
【簿記3級はこんな人におすすめ】
- これから経理職を目指す人
- キャリアアップを目指すビジネスマン
- 就活予定の学生
経理・会計職を目指す人は、将来的には簿記2級以上の取得を目標にするといいでしょう。
簿記3級を取得するメリット
簿記3級は基礎レベルであり、会計や経理職の転職時のPR要素としては少し弱いかもしれませんが、簿記3級を取得することで以下のようなメリットが得られるでしょう。
簿記3級を取得するメリット
- 数字で企業の実態を分析できるようになる
- ビジネストークの幅が広がる
数字で企業の実態を分析できるようになる
簿記3級を取得することで、財務諸表が読めるようになるため会社の実態を分析ができるようになります。自社がどのように動くべきなのか、経営的な視点で仕事を見ることができるようになるため、ただ与えられた仕事をこなすのではなく、意味を考えながら仕事をすることができるようになるでしょう。
こうした数字のデータが読めることで、自社の経営状況だけでなく、世の中の会社がどのような状況なのか理解でき、社会の動きを把握しやすくなります。
世の中の流れを理解・把握することはビジネスパーソンにとって欠かせないスキルの一つですが、意外と理解できていない人が多いのも事実です。簿記3級は基本レベルではありますが、仕事をする上で活かせる知識をたくさん習得できるでしょう。
ビジネストークの幅が広がる
社会人として必要な経済に関する一般常識を身に付けることができるだけでなく、取引先の経営状況を把握しながらビジネストークを展開できるので、説得力のある会話ができるでしょう。取引先のニーズを理解しつつ、会計や経済的な知識を盛り込みながら提案ができると、営業トークの説得力も強いものになります。
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簿記3級はビジネスパーソンにとって有用
簿記3級は会計・経理に関する基本レベルではありますが、ビジネスパーソンにとって欠かせない知識を習得できるため、ぜひ取得しておきたいスキルです。また経理・会計職への転職を目指すのであれば、簿記2級以上を目指すことをお勧めします。
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2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。