ノウハウ

経営企画で年収1000万円を実現させるために必要なこと|スキルやポイントも解説

栗田 謙人
更新日:2023/09/28

ビジネスパーソンにとって、年収1,000万円以上というのは一つの大きな目標です。「経営企画ならば、年収1,000万円を達成できるだろうか」「会社員で年収1,000万円をもらうにはどうすれば良いのか」と考える人も多いのではないでしょうか。

ここでは、経営企画になることで、年収1,000万円を目指すことはできるか、そのためにはどうすれば良いかについて解説していきます。

目次
  • 経営企画で年収1000万円に到達することは可能か
    • 経営企画で年収1000万円もらえるには何歳くらいか
  • 経営企画への転職者の平均年齢
  • 経営企画の仕事内容とは
    • 戦略企画の策定
    • 予算の策定・管理
    • 業績分析・報告
    • プロジェクト管理
    • データ分析・競合調査
    • 新規ビジネス立ち上げ支援
  • 経営企画で年収1000万円を達成するために必要なこと
    • リーダーシップやプレゼン能力
    • ビジネス戦略に精通
    • ビジネスの数値分析や企画書作成が得意
    • 経営視点を持ち、リスクマネジメントのスキルを身につける
  • 経営企画で年収1000万円を目指すためのキャリアアップ法
    • マネージャー以上の役職に昇進
    • スペシャリストとして高い技術力を持つ
    • 経営幹部へのキャリアアップ
  • 経験を活かし40代で経営企画への転職を成功させよう
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経営企画で年収1000万円に到達することは可能か

結論は、経営企画で1,000万円以上の年収を実現することは可能です。経営企画は、企業の中枢で経営者の右腕として活躍する部署です。数学が得意で、財務や会計が理解でき、スキルの高い社員というイメージがあります。

他の職種の平均年収よりも高い傾向がありますので、1,000万円に到達するケースもあります。

もちろん、年収1,000万円に到達するかどうかは、企業規模や担当する業務内容や経験年数など様々な要因が影響するため個人の能力や環境によって異なります。また、外資系IT、金融などでは20代で2,000万円の年収を稼いでいることもあります。

経営企画で年収1000万円もらえるには何歳くらいか

経営企画の平均年収は624万円です。一般的な職種に比べて高いといえるでしょう。男性の平均は680万円、女性の平均は499万円です。

年代 平均年収
20代 437万円
30代 602万円
40代 769万円
50代〜 890万円

(※1)参考:平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】

経営企画の年収については、企業文化、企業の規模等で大きな差があります。20代でも外資系金融やIT企業などでは2000万円に到達する例もあります。一般的な大企業で経営企画職で年収1,000万円を超えるためには、マネージャー職になることが必要な場合があります。

上場企業で、課長級への昇進は最短で33.9歳、標準で39.4歳、部長級への昇進は最短で40.1歳、標準で47.0歳というデータがあります(※2)。部長クラスで1,000万円を超える場合は47歳程度、課長クラスで1,000万円を超える場合は、39歳程度ということになります。もちろん会社によって給与体系は違いますので、あくまでも一例です。

(※2)参考:役職別昇進年齢の実態と昇進スピード変化の動向

経営企画への転職者の平均年齢

経営企画と事業企画に転職した人の転職年齢は、平均で35.0歳(※3)。20代後半での転職者か26%、30代前半が29%となっており、25歳から34歳がボリュームゾーンとなっています。次に多いのが40歳以上で25%を占めています。

25歳から34歳は、スタッフとしての養成も含んだポテンシャル採用の可能性が高く、40代歳以上は職務経験とマネジメント能力やリーダーシップなどを期待され、即戦力として採用されていると考えられます。

(※3)参考:経営企画/事業企画とはどんな職種?仕事内容/年収/転職事情を解説

経営企画の仕事内容とは

年収1,000万円以上を目指すことも可能な花形部署経営企画ですが、実際の職務内容はどのようなものでしょうか。

経営陣に替わって、経営に関する実務を行うのが経営企画です。その業務は、戦略策定から新事業の立ち上げまで幅広く、財務・会計、計画立案、進捗分析、マーケティングなどの知見とスキルが求められます。

戦略企画の策定

経営企画では、経営陣の意向とビジョンに従い会社の経営戦略を立案、併せて中長期経営計画の策定を行います。

企業にとって、経営戦略と経営計画は活動の柱となるもので重要です。立案には外部環境と市場の分析、自社の財務諸表から経営指標を用いた分析を通し、展開している事業ごとの計画と目標値を練る必要があります。現在は変化の激しい時代ですので、計画通りに進捗しないことのほうが多いです。その際に各部署と調整しながら、計画を修正したり、別案を動かしたりと解決策を迅速に動かす必要があります。経営企画に調整力が求められる理由です。

予算の策定・管理

企業活動の基本は、ヒト、モノ、カネを動かして利益を生み出すことです。投じるリソースに比べ利益が高ければ生産性が高いといえます。経営企画のミッションは、生産性を最大化し、利益を生みやすい体質の企業経営を行うことでもあります。

そのために、予算はもっとも重要です。経営企画では、経営戦略をもとに、予算策定とその管理を担当します。人員計画やICT導入までの投資を決定し、その効果の目標を設定するのです。中長期的な視点で企業のリソースの動きを管理しています。

業績分析・報告

業績分析は、経営分析につながる重要なものです。経営企画では各事業の業績も把握していなければなりません。

経営分析は、収益性、安全性、生産性、成長性を財務諸表をもとに分析するものです。自社の現状を把握し、問題点と課題を発見しその改善策を策定することを目的としています。売上、利益という業績は、その指標の一つで、収益性分析の指標ですので、多くの課題は業績分析から導かれます。

取締役会、経営会議、そして株主総会で各種分析結果と、今後の課題を報告することも経営企画の役割です。

プロジェクト管理

企業活動を活発にし生産性向上を実現するためには、業務効率化のためのICT導入(DX化、自動化、AI化など)や組織改変などビジネスプロセスの改善、新規事業開発などが必要になります。それらのプロジェクト管理も経営企画の仕事です。

たとえば、DX推進ではIT部門や事業部門と共同で進めますが、その橋渡しと進行管理を担うのは経営企画であるケースが増えています。経営企画は、営業、製造、ITなど社内すべての部署に通じ、現場の声をヒアリングし調整し、プロジェクト推進の中心になるのです。

データ分析・競合調査

経営戦略や経営計画の策定では、各種のデータ分析が必要です。外部環境の変化は統計などの指標から、競合分析は競合各社の財務諸表や記者発表の内容、業界紙誌やビジネスニュースも収集します。

必要に応じ、市場調査や業界動向調査を定期的に実施し、ベンチマークすることもありますので、調査設計や集計は基本技能として持っているのが前提です。

新規ビジネス立ち上げ支援

企業が成長するためには、新規分野への参入が必要になることもあります。新事業立ち上げには、綿密な市場分析と競合分析、商品・サービスの開発、事業計画が必須です。

社内リソースを割り当てて、中長期的に収益化を目指して行うのが新事業ですので、経営企画は、業績予測も含めて検討します。新しい部署への人員計画、製造部門の調整なども必要です。経営企画が動くことで各部署が連携して新しい事業をローンチすることが可能になります。

経営企画で年収1000万円を達成するために必要なこと

経営企画で年収1,000万円を目指すには、経営企画部署で管理職になることを目指すのが近道です。企業にもよりますが、部課長クラスになると年収は大きく増えます。また、外資系ITやベンチャー企業など、経営企画の経験と技能により転職することも選択肢の一つです。

リーダーシップやプレゼン能力

まず、同年代の経営企画よりも仕事ができる人材になる必要があります。もっとも評価されやすいのがリーダーシップです。積極的にチームリーダーやプロジェクトリーダーに手を上げていくこと、実際にチーム運営の能力を発揮できることが重要です。

あわせて、経営会議や取締役会、株主総会などでのプレゼンテーション能力も問われます。ポイントを押さえたわかりやすい資料を作成できるか、限られた時間で説明できるかなどが評価に大きく影響します。

ビジネス戦略に精通

現在、チームメイキングからビジネス展開まで、常識とされていたものが早い速度でふアップデートされています。WEB3.0やAIなど世界で起きている新たなビジネスの枠組みを理解し情報収集していることはもちろん、自社事業での活用についても具体的にイメージできることが重要です。

競合分析や市場分析から、たとえばOMO(Online Merges with Offline)など先進的な戦術での展開が鍵になることもあります。最新のマーケティング動向やDAO(Decentralized Autonomous Organization/分散型自律組織)など新しい組織のあり方の研究も日々行うことで、まったく新しい提案が可能になり、評価につながります。

ビジネスの数値分析や企画書作成が得意

経営計画の策定に必要な財務諸表による経営分析。それは、経営企画の基本的なスキルのひとつです。収益性、安全性、生産性、成長性の各分析において、数値分析が必要になりますので、必要な数式や関数を流暢に扱うことが求められます。

また、それらの分析結果を、誰がみても理解できる形でプレゼンテーションすることが重要です。わかりやすくポイントを押さえた企画書を作成できるかどうかも、評価につながります。

経営視点を持ち、リスクマネジメントのスキルを身につける

自社の安全性分析も重要な経営企画の仕事の一つです。それは、財政基盤が健全かどうかの評価です。経営で重要なのは収益性と安全性。短期・長期の安全性分析の各指標から問題点を見落とさず、財政リスクを早期に発見し対策を練ることが重要になります。経営リスクを把握する能力がないと、事業推進や新規事業、人員計画などに支障をきたします。

経営陣や事業部門に適切な解決策を提案でき、迅速に動かすことができること、それも経営企画の重要任務です。

経営企画で年収1000万円を目指すためのキャリアアップ法

ここまで、経営企画の業務内容や、必要とされるスキルと知見について説明してきました。経営企画は経営者に近いところで企業を動かす部署ですので、他の職種に比べて評価は高くなります。キャリア形成には理想的です。

マネージャー以上の役職に昇進

まず、経営企画部署内で、管理職を目指すことです。課長クラス、部長クラスになることで年収は大きくアップします。20代で500万円の企業ならば、経営企画の課長で1,000万円を超えることもあるでしょう。

経営企画に配置された人材は、さまざまな部署ほ経験させるという方針で、他部署に出されることもあります。営業、製造などです。その後、経営企画に戻り、マネージャーになるというコースもあります。

スペシャリストとして高い技術力を持つ

経営企画は、経営分析の専門家としてのスキルや経験を積むことができます。さまざまな業務やプロジェクトを任されるなか経営のスペシャリストとして育てられます。

その技能や経験、知見は、企業内での地位を固めることに寄与するばかりか、優秀な経営企画は業界にも知れることになります。

スペシャリストとして希少な存在になることで、ベンチャーや外資からのヘッドハンティングも経験することになるでしょう。目的が年収1,000万円ならば、自分の価値を高め認知させ高く売ることが近道です。

経営幹部へのキャリアアップ

経営企画から執行役員、取締役という道筋は珍しいことではありません。そして経営幹部になれば、年収1,000万円は実現するケースが多いでしょう。

経営統合、M&A、ベンチャーならば上場と、エポックメイキングなプロジェクトを成功させ企業の成長に寄与することや、経営者の右腕として正しい手を打ち会社の収益性向上を成し遂げた経験がある場合、ボードメンバー入りは早くなります。

経営者は、有能で会社をよく方向に導く人材を大切にするものです。実務で実績を積み、信頼を獲得することで経営幹部への道が開けるでしょう。

経験を活かし40代で経営企画への転職を成功させよう

企業の規模や社風にもよりますが、経営企画で年収1,000万円を目指すのは不可能ではありません。経営者の代わりに会社を動かすのが経営企画ですので、経営分析や経営計画、経営戦略の策定など難易度の高い業務と常に向き合うことになります。

また、マネージャー以上を目指す必要がありますので、経営層からの信頼を獲得し、抜きん出ることも必要です。常に、会社のことを考え、新しい概念を取り入れることや、優秀なブレーンを育てること、各部署との絶妙な調整を行うことなどで社内の評価は高まります。

実現するかどうかは環境と頑張り次第ですが、年収1,000万円の実現に近い部署であるといえます。

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株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。