財務部への転職は難しい?|評価されるスキルや資格・成功のポイントを紹介!
財務部は待遇がいいほか、人気のコンサルタント職になるキャリアプランにも役立つ職種です。しかし財務部への転職は一般に難しいとされています。
この記事では、財務部への転職が難しい理由と、財務部への転職を成功させるために役立つスキルや成功のポイントについてまとめます。税務部への転職を希望している方はぜひお読みください。
- 財務部への転職が難しい理由
- 経験者が優遇される
- 経理実務経験だけでは強みにならない
- マネジメントができる人が求められる傾向がある
- 求人が多くない
- 財務の仕事内容と関係性が深い職種から転職する
- 財務の業務に役立つ資格を取得する
- 経理と財務を兼任している会社を探す
- 経理職から財務へのステップアップ
- 分析をする力
- コミュニケーション力
- 経営・金融・会計の知識
- 求人が多い時期に転職活動を開始する
- 転職後のキャリアプランを立てておく
- 自分のスキルと募集人材がマッチしている企業を選ぶ
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財務部への転職が難しい理由
財務部への転職は難しいと言われています。実際に、転職サイトでも求人を見ることは少ないのではないでしょうか。また求人を見かけたとしても、条件が合わないと感じることが多いかもしれません。財務部への転職が難しい理由として、次の4つが挙げられます。
財務部への転職が難しい理由
- 経験者が優遇される
- 経理実務経験だけでは強みにならない
- マネジメントができる人が求められる傾向がある
- 求人が多くない
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
経験者が優遇される
財務の求人は、経験者が優遇される傾向があります。
財務部に就職する場合、必須となる資格はありません。しかし経験者が優遇されます。実際の求人を見るとわかりますが、多くの求人で経験年数5~10年程度が求められています。財務部はエリートが多いと言われますが、相応に高いスキルが求められる部署です。どうしても即戦力の募集が中心となる傾向があります。
そのため、未経験から財務部に転職することはかなり難しいと言えます。それは覚悟しましょう。ただし不可能というわけではありません。
経理実務経験だけでは強みにならない
経理の実務経験があっても、それだけでは充分なアピールにはなりません。
経理と財務は混同されがちですが、経理の経験があっても有利とは限りません。どちらも同じくお金を扱う部署ですが、業務の内容に大きな違いがあるからです。財務は、資金調達など、会社がこれから使うためのお金を扱う部署です。それに対して経理は過去の活動で生じたお金を管理する部署です。
具体的に、財務の主な仕事内容をまとめます。
【財務の主な仕事内容】
- 財務戦略を練る
- 予算や資金の管理
- 資金の調達
- 資金の運用
財務の仕事には、財務諸表を理解・分析する会計知識が必要となります。そのほか交渉力・コミュニケーション力も求められます。経理の知識も必要ですが、経理の実務経験だけでは財務で即戦力になることはできません。
マネジメントができる人が求められる傾向がある
財務の求人では、マネジメントができる人が求められる傾向があります。実際の求人でも、マネージャー職や幹部候補の募集、マネジメント経験が優遇または必須となっている求人が多く見られます。エリートが多い部署だと言いましたが、財務部のトップはCFO(最高財務責任者)と呼ばれCEOへの足掛かりにもなるポジションです。財務部に求められているレベルが高いと考えましょう。
このように、経理・財務の業務だけでなく、メンバーマネジメントや組織パフォーマンスの最適化などができる人材が求められています。
求人が多くない
経理部はどんな企業にもありますが、財務部があるのは大企業が中心です。中小企業では、独立した部署になっていることはあまりありません。必然的に、財務部がある会社の数自体が少ないのです。
また財務部をはじめとした管理部門は、少人数で仕事をこなすのが一般的です。そのため募集枠自体も少ない傾向があります。
このように、財務部がある会社が少ないうえ、一社当たりの人数も多くないために財務の求人は少なくなっています。
未経験から財務部へ転職できる?
実際に、未経験歓迎の求人はあまり見かけないものです。さらに、先に述べた通り経験者が優遇されます。仮に未経験可の求人があっても、応募が集中します。また未経験可と言っても、当然、経験者も応募してきます。未経験から財務部への転職は簡単ではないのが現実です。
とはいえ絶対に不可能というわけではありません。未経験からでも財務部への転職を目指す方法はあります。
未経験から財務部を目指す方法
- 財務の仕事内容と関係性が深い職種から転職する
- 財務の業務に役立つ資格を取得する
- 財務と経理を兼任している会社を探す
順に見ていきましょう。
財務の仕事内容と関係性が深い職種から転職する
財務の仕事内容と関係性が深い職種からであれば、転職に成功する可能性が高まります。
具体的な職種としては、銀行員・中小企業診断士・税理士・公認会計士などがあります。税理士や公認会計士の資格を持っている人は少ないかもしれません。しかし補助業務でも、うまくアピールすれば採用の可能性があるでしょう。
これらの職種は、業務について重なる部分が多くあります。そのため知識や経験を活かしやすく、未経験でも転職できる可能性が高くなります。
財務の業務に役立つ資格を取得する
財務の仕事に役立つ資格を表にまとめました。
資格の種類 | 難易度 | 証明できる内容 |
---|---|---|
日商簿記3級~1級 | ★★★★ | 財務諸表を作成する能力財務諸表を読む力 |
ビジネス会計検定 | ★★★ | 財務諸表が表す数値を理解・分析する力 |
ファイナンシャルプランナー | ★★★★ | 資産運用・税金・保険・不動産等に関する知識の証明 |
FASS検定 | ★★★★ | 資産・決算・税務・資金など実務レベルの経理・財務のスキルの証明 |
公認会計士 | ★★★★★★★ | 財務諸表の監査ができる |
税理士 | ★★★★★★★ | 決算書の作成や納税申告の代行が可能 税務上の知識 |
級に分かれている資格に共通しますが、財務部への転職のためにはできるだけ上の級を目指しましょう。初歩的な級ではアピールにならない場合があります。
日商簿記は最低でも2級は目指しましょう。ビジネス会計検定も2級程度が目安です。ファイナンシャルプランナーは、個人向けの内容ですが学ぶ分野は重なる部分も多くあります。なお主催の団体によって複数の種類と級があります。FASS検定は、中小企業の間ではまだ知名度が低いですが、高スコアを取っていれば大企業では評価されるでしょう。
公認会計士・税理士はどちらも難関資格です。なお「税理士」を名乗るには実務経験が必要ですが※、転職の場合は科目合格だけでも有利だと言えます。
※いくつかの方法があるうち、一般的な方法の場合
参考:FASS検定(経理・財務スキル検定)とは?概要やメリット、転職での活かし方
経理と財務を兼任している会社を探す
企業の中には、1つの部署が経理と財務を兼任している会社があります。多くの大企業では別の部署として分かれていますが、中小企業やベンチャーの場合は兼任していることが珍しくありません。
そういった企業であれば、経理経験があれば転職しやすいと言えます。転職後に少しずつ財務の業務を覚えていくという方法を取ることができます。
経理の経験がある場合、兼任している会社を見つけたら、チャレンジする価値はあります。
経理職から財務へのステップアップ
財務に転職するために、経験と知識を積むことが重要です。財務と比べて間口の広い経理職からステップアップするのも一つの手段です。経理職で会計処理や決算業務、税務申告などの基本的な経理業務を学びましょう。財務諸表の作成や分析に必要なスキルを身につけることも重要です。
財務部への転職に必要なスキル
財務部に転職するときに必要となるスキルをまとめます。
財務部への転職に必要なスキル
- 分析をする力
- コミュニケーション力
- 経営・金融・会計の知識
これらのスキルがあれば財務の業務を行うのがスムーズになります。つまり採用側は、これらのスキルがある人物は適性があると考えています。面接などで、具体例をもとにこれらのスキルをアピールすることができれば、採用の可能性が高まるでしょう。
それぞれについて具体的に見ていきます。
分析をする力
分析をする力は、財務の業務を行う上で必要となるスキルです。
財務の業務のうち財務戦略の立案には、自社の問題点を発見したり、解決策を提案したりする必要があります。そのためにデータを分析しなくてはなりません。数値などが示す意味を読み取って、そこから因果関係や関連性などを発見していきます。
実務では、財務諸表の分析のほか、M&Aでは企業価値の分析も必要となります。これらの客観的なデータから答えを導き出す分析力が必要とされます。
コミュニケーション力
財務の仕事においてコミュニケーション力も重要です。
分析からわかったことや、そこから得られる見通し・今後求められる行動などを、社内の関係部署や関係先にわかりやすく説明する必要があります。また銀行から融資を受けるときや株式を発行するときなど、相手を納得させなければならない場面もあります。交渉や折衝のスキルも重要です。またそういった相手と、普段から良好な関係を築いておく必要もあります。
「こちらの意図を正しく伝達する」というコミュニケーションに加えて、「共通の認識を作る」「お互いの信頼関係を築いていく」という意味でのコミュニケーションの力が求められます。
経営・金融・会計の知識
財務の業務においては、経営・金融・会計の知識が必要です。
財務分析を行って財務戦略を立てるには、経営や会計の知識が前提となります。財務分析は経営戦略において、金融の知識は資金の調達において、それぞれ必要不可欠です。経理の実務をしていれば帳簿上のお金の処理はできるようになりますが、お金の集め方や使い方の知識を身に付けることは難しいものです。
とくに財務戦略は、戦略の方針・方向性も決める必要があります。これは経営的な判断となるので、経営者の視点や、経営の基礎を身につけておく必要があります。
財務部への転職を成功させるポイント
次に、財務部への転職を成功させるポイントについてまとめます。次の3つのポイントがあります。
財務部への転職を成功させるポイント
- 求人が多い時期に転職活動を開始する
- 転職後のキャリアプランを立てておく
- 自分のスキルと求人内容がマッチしている企業を選ぶ
自分のスキルを高めることとは別の、戦略にかかわることに当たります。スキルを高めつつこれらのポイントを守れば、採用される可能性が高まります。1つずつ具体的に見ていきましょう。
求人が多い時期に転職活動を開始する
まず、求人が多くなるタイミングで転職活動を始めましょう。財務の場合、求人数は決算や株主総会の時期と深くかかわりがあります。多くの会社では決算と株主総会は4~6月に行われます。つまり財務の繁忙期はその時期になるということです。
欠員補充でない求人は、決算と株主総会の時期を避けた1~2月ごろと、中間決算前の7~8月が多くなります。
しかし転職希望者が増えるのは3月です。決算が終わったころに退職できるように、このタイミングで転職活動を始める人が多いためです。それよりもやや早くに活動を始めてみましょう。
また7~8月は決算と株主総会が終わって引継ぎの済んだ人が退職する時期でもあります。中間決算前という理由に加え、欠員補充が出て求人が増えるという側面もあります。
転職後のキャリアプランを立てておく
転職後のキャリアプランを立てておくことも成功のポイントになります。
「キャリアプラン」とは、自分のキャリアのゴールをどこに設定して、ゴールに向けてどのように行動していくかの中長期的な計画です。
財務に限りませんが、現在は年功序列だけでのキャリアアップは保証されていません。キャリアに対して主体的に考えることが自分のために必要です。
また、面接対策という直接的な理由もあります。最終面接まで進むと、ほぼ確実に、入社後のビジョンや意欲を確認する質問をされるでしょう。きちんと答えられるようにしておくとプラスの評価となります。
キャリアプランの質問への回答例を挙げておきます。
面接時のキャリアプラン例
- 管理職・CFOを目指す
- 財務・会計コンサルタントとして独立
ただし独立を希望している場合は、独立を推奨する社風でない限り、面接では言わない方が無難です。辞めていくとわかっている人を雇用するのに躊躇する企業も多いからです。
自分のスキルと募集人材がマッチしている企業を選ぶ
当然と言えば当然なのですが、自分のスキルと募集の人物像がマッチしている企業を選びましょう。
自分としては「新しいことにチャレンジできる」「給与など条件がよい」「求人内容が理想的」と思える会社であれば、そこで働きたいと思うかもしれません。しかしそういう理由で応募しても成功しにくいのが現実です。
企業側は熱意よりも即戦力を求めています。また企業からすれば、「条件がよいから働きたい」と言われてもその人を雇うメリット・理由になりません。
しっかりと自己分析を行い、自分の強みを明確にします。そのうえで、自分の希望に合いつつ、相手から見ても自分がメリットを提供できる人材と思ってもらえるような会社を探しましょう。
財務部への転職にチャレンジを
財務部への転職は簡単ではありません。しかしスキルを高めて、タイミングや方法を選び、自分に合った求人を探せば、決して不可能ではありません。財務への転職を希望するなら、自分をそれに見合ったレベルに上げるつもりでチャレンジしましょう。
自分のスキルを高めたら、あとは転職しやすい環境で活動するだけです。その際は、ぜひ転職の強い味方としてSYNCAをご活用ください。そしてぜひ採用を勝ち取ってください。
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財務部への転職はハードルが高いのは事実です。しかしこれまで述べてきたように、成功する可能性ももちろんあります。スキルを高めたり時期や企業を選んだりすることによって、その可能性を高めることができます。
また、財務部への転職に強い転職サイトやサービスを利用することも重要です。いくらスキルを高めても、財務の求人を見つけられなければ転職できるはずもありません。
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2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。