経理職が転職しやすい理由|転職を成功させるためのポイントを紹介!
経理は、企業の中核を担う部署であり、業務内容は多岐に渡ります。そのため転職市場での需要は高いといえます。しかし、転職を成功させるためには、資格の取得やマネジメントの経験なども重要です。
この記事では、経理が転職しやすい理由と、転職を有利に進めるためのポイントを紹介します。
- 経理職の市場価値
- 経理が求められる業界や企業
- 経理の平均年収や待遇
- どの会社にも経理部門がある
- 基本的な業務内容は同じ
- 求人数が多い
- 経理のスキル汎用性がある
- 資格があれば評価されやすい
- 同じ規模の会社が好ましい
- 社風や会社理念をしっかり理解する
- コミュニケーション能力をアピールする
- 競争率は高い
- 実務経験が少ないと評価されにくい
- 転職のタイミング
- 同じ会社内での部署異動を目指す
- 経理で有利な資格をとる
- 基礎的な会計知識とPCスキルを学ぶ
- 求人サイトや転職エージェントを活用
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経理職の市場価値
現在の転職市場において、経理職は転職しやすく「売り手市場」と言える状況です。経理業務では、業務効率の改善や新システムの導入、グローバル展開に伴うIFRS(国際会計基準)への対応などが課題となっています。
多くの企業が課題の解決に取り組んでいる中、これらの業務に対応するための人材が不足しています。こういった企業では即戦力として活躍できる経理経験者は重宝されているのです。
さらに、経理職で「未経験者OK」としている求人も多くあり、現在は経理職への転職に成功しやすい時期であると言えるでしょう。
経理が求められる業界や企業
経理は、あらゆる業界や企業で必要不可欠な職種です。たとえば、製造業では原価計算や在庫管理、販売業では売上管理や仕入先管理、サービス業では請求書の発行や入金管理など、それぞれの業種や企業によって求められる業務は異なりますが、どの業種・企業でも一定の経理スキルが必要となります。
金融業界や外資系企業、大手商社など、高い給与水準が期待できる業界や企業も多いため、経理職に転職することで、キャリアアップや収入アップを目指すことができるでしょう。
これらのことから、経理職はあらゆる業界・企業で求められる必要不可欠な職種であり、転職市場でも需要が高いといえます。
経理の平均年収や待遇
経理は、会社の財務状況や税務対策などを担う重要な役割を果たしています。そのため、経理の仕事には専門性が高く、一般事務と比べて給与が高いとされています。
政府統計の総合窓口(e-Stat)によると、企業規模が1,000人以上の場合、経理(会計事務従事者)の平均年収は323万円となっています(※1)。
もちろん、調査手法や年収は企業や業界、職位やスキルなどによって異なりますが、一般的には大手企業や成長産業で働く場合や、管理職や資格保有者である場合には高めに設定される傾向があります。
参考:経理職の平均年収はいくら?男女、年代別などの調査結果や収入を上げる方法を紹介
(※1)参照:職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
経理が転職しやすい理由
現在は経理未経験者にとっても転職できるチャンスが増えていますが、実務経験があればさらに転職が成功しやすいです。
【経理が転職しやすい理由】
- どの会社にも経理部門がある
- 基本的な業務内容は同じ
- 求人数が多い
- 経理のスキルは汎用性がある
- 資格があれば評価されやすい
どの会社にも経理部門がある
あらゆる会社において、金銭を管理する役割が求められます。そのため、ほぼすべての会社に経理部、もしくは経理部という名前ではなくとも経理を担当するポジションが存在しているのです。
つまり、経理部への転職を目指すのであれば、世の中のあらゆる会社を対象として転職活動を行える可能性があると言えます。
基本的な業務内容は同じ
一般的な会社で行う経理の業務内容は、基本的に共通しています。たとえ業種業態の異なる会社だとしても、経理職であれば業界の垣根を越えて転職することが可能です。
【経理の仕事内容例】
- 伝票の起票・整理:会社が事業を行う上での根幹となる記録と文書管理の業務。
- 仕分け入力:顧客や取引先との間で動くお金の動きを一件ごとに記録する業務。
- 現預金管理:会社の保有する現金・預金の残高を管理する業務。
- 経費処理:事業にて売上を出すために必要な支払いとして支出した費用を管理する業務。
- 月次・年次決算:月毎・年毎の企業の財務をまとめる業務。
ただし、上場企業は対外的な決算報告を義務づけられているため、決算報告に関する業務があるという点では、規模の小さな企業と異なる部分もあります。とはいえ、同規模の企業同士であれば、仕事内容は基本的に同じでしょう。
求人数が多い
経理職は求人数の多いことが特徴です。理由としては、ITやマーケティングなど近年に登場した職種と比べ、会社の創立年数と同じくらい歴史のある部門であること、またほぼすべての企業に経理を担うポジションがあることが挙げられます。
例えば、管理部門に特化した転職サイトのSYNCAで経理業務の求人を探すと、2022年8月現在で160件以上の求人が存在します。
求人数が多い分、求職者の希望にマッチする案件を見つけやすいことも、経理職に応募するメリットです。
経理のスキル汎用性がある
経理職の場合、あらゆる業界において仕事内容の共通性が高いため、経理の実務経験があれば、身につけたスキルを転職先でも活かせます。
他の職種と比べて経験を積み重ねやすく、どんな企業に転職しても一貫したキャリアを築くチャンスがあることもメリットです。
資格があれば評価されやすい
経理職は未経験採用の求人も多く、応募にあたって必須となる資格を設定しているケースは少ないです。とはいえ、経理分野に関連する資格を持つことで、転職活動のアドバンテージとなることは間違いありません。
例えば簿記検定や公認会計士資格、税理士資格などを持っていれば、希望の企業に巡り合う可能性は高まります。関連する資格があれば、たとえ「資格不問」の求人であっても、履歴書に書いてアピールすることで選考を有利に進めるでしょう。
経理の転職を成功させるためのポイント
経理職で他社に就職するためのポイントは、以下3点があげられます。
【経理の転職を成功させるためのポイント】
- 同じ規模の会社が好ましい
- 社風や会社理念をしっかり理解する
- コミュニケーション能力をアピールする
同じ規模の会社が好ましい
大企業と中小企業の経理業務を比較すると、経理業務としての基本的な部分は変わらないものの、大企業特有の対外向け決算発表など、大企業にはあって中小企業にはない経理業務もあります。
在籍している会社と同規模の会社を狙って転職活動をするほうが、実務経験をアピールする際にマッチングしやすくなる傾向があります。また、業界をまたぐ転職のしやすさも経理職の特徴ですが、同じ業界であればさらに採用の可能性が高まります。
社風や会社理念をしっかり理解する
採用側としては、単にスキルだけを評価しているわけではなく、応募者が入社後、会社側の社風や会社理念に適応してくれるかどうかを気にしています。採用側が抱きがちな「この人を採用して大丈夫だろうか?」という疑念を払拭するためにも、あらかじめ社風や会社理念をしっかりと理解した上で選考に臨むことが大切です。
コミュニケーション能力をアピールする
職場の規模にもよりますが、チームで仕事を行う経理部においては、自分の職務を真面目に行うだけでなく、同じ部署の社員とのチームワークも重要です。また、転職先の会社で昇進し、部下を指導する機会があるかもしれません。このようにコミュニケーション能力は、経理職にも必須の能力です。
また、多くの企業が現在課題として取り組んでいる業務効率の改善や新システム、グローバル展開などへの対応は、まさにコミュニケーション能力を求められます。これらの業務に携わった経験があれば、経理知識のみならず、コミュニケーションスキルの観点からもアピールできるでしょう。
経理が転職する時に気をつけること
求職者にとメリットが多い経理職ですが、以下の点には注意が必要です。
【経理が転職する時に気をつけること】
- 競争率は高い
- 実務経験が少ないと評価されにくい
競争率は高い
求人数の多い経理職ですが、1社あたりの選考の競争率は高くなる傾向にあります。主な理由としては、1社あたりが雇用する経理職の人数は、あまり多くないためです。志望度の高い企業の選考に臨む際には、十分な準備を整えた上で挑戦することを心がけましょう。
実務経験が少ないと評価されにくい
未経験OKの求人も比較的多い経理職ですが、経験者を求めている場合は、実務経験が少ないと評価を得られにくいかもしれません。仮に実務経験が少ない状態で選考を受ける場合、他の要素(コミュニケーションスキルなど)で資質をアピールすることが重要です。
また、短期間に転職をくり返すことも、採用側に対してプラスの印象とはなりません。やむを得ず短期離職をくり返した場合は、採用側が納得できる形で転職理由を説明しましょう。
転職のタイミング
経理は決算業務があるため、多くの企業の場合、4月、5月は繁忙期となります。そのため、求人数も減少し、採用活動も活発ではないことが予想されます。ですので繁盛期前である1月、2月は求人数が増加する傾向にありますので、転職活動に有利な時期といえるでしょう。
未経験から経理に転職する方法
経理職への転職を有利に進める方法としては、以下があげられます。
【未経験から経理に転職する方法】
- 同じ会社内での部署異動を目指す
- 経理関連の資格をとる
- 基礎的な会計知識とPCスキルを学ぶ
- 求人サイトや転職エージェントを活用
同じ会社内での部署異動を目指す
経理職に転職する上で最も簡単なアプローチは、同じ会社内での部署異動を目指すことです。ゼロから他社の選考を受けるのに比べ、ある程度の関係性が構築できている会社内で部署異動をするほうが容易でしょう。
特に経理職未経験者は、まず会社内の経理職で実務経験を積むことで、後に他社へ転職するための基盤を築けます。 部署異動を成功させるコツとして、「経理職に興味を持った理由」を説明することが大切です。その中で、「自分の願望」をベースに語るだけでなく、「経理職への異動を通じた会社への貢献」という観点で、会社側のメリットを説明できるといいでしょう。
経理で有利な資格をとる
経理職では未経験可の求人も豊富にあるため、資格の取得が必須ではありません。しかし、資格を持っておくほうが選考を有利に進める材料として役に立つことは間違いありません。転職で有利になるだけでなく、社内での部署異動でも「経理職への興味を持った」理由として説得力をもたせられます。
経理事務未経験者向けの資格は、以下の通りです。
【経理事務未経験者向けの資格】
- マイクロソフトオフィススペシャリスト:Excelをはじめ、WordやPowerPointなど、Microsoft社ソフトを使用してオフィス業務を扱うスキルを示す資格。合格率はおよそ80%と予測され、合格のハードルはそこまで高くない。経理職以外にも、事務系業務全般で活かせるスキルを学べる。
- 簿記検定3級:“会社の家計簿”とも呼ばれる簿記の知識を証明する検定。簿記は会計スキルの基礎であり、公認会計士志望者も受験勉強の一環として簿記検定を受けることが多い。いくつかの種類がある会計系の資格・検定の中でも知名度が高く、商業高校の生徒や大学生など若い世代を含めた幅広い受験者層も特徴のひとつ。簿記検定1級は難関資格として知られるものの、3級の合格率は45.8%(2022年6月時点)と、およそ2人に1人は合格できる基準である。
- ビジネス会計検定:決算書など財務諸表の理解・分析に関わる知識をメインとする検定。1級から3級まであり、3級の合格率は60〜70%、2級の合格率は30〜50%と、試験の実施回によってバラツキがある。試験は年2回実施されており、半年に1回の頻度で受験可能。
基礎的な会計知識とPCスキルを学ぶ
経理の仕事は、会計帳簿や財務諸表を作成したり、入出金の管理や税務申告などを行います。そのため、基本的な会計の仕組みや用語、ExcelやWordなどのPCスキルが必要です。これらは独学やオンライン講座などで学ぶことができます。
未経験でしたら「やる気」のアピールにも繋がりますので、ぜひやってみましょう。
求人サイトや転職エージェントを活用
専門的な求人サイトや転職エージェントに登録してみましょう。未経験でも自分の希望条件や適性に合った企業を紹介してもらえますし、履歴書や面接対策などのサポートも受けられます。特にエージェントであれば、自分で探すよりも効率的な場合が多いです。未経験であれば職業や業界の知識があるエージェントの利用をおすすめします。
経理は市場価値が高いので転職しやすい
経理職は企業経営の根幹を支える仕事であり、業種を問わずどの企業にも存在する職種であるため、市場価値の高い仕事です。ほぼすべての企業にポジションがあるため、求人数も豊富で、転職のしやすいさも特徴と言えます。さらに近年ではIFRSへの対応など企業の課題が増えてきているため、経理人材の不足が進んでおり、売り手市場であると言って間違いありません。 未経験者の場合は、コミュニケーションスキルをアピールすることや、経理関連の資格を取得することである程度カバーすることも可能です。あるいは、社内の経理部へ異動して実務経験を積み、その後に他社に転職する、というルートも選べます。この場合でも、経理資格を保有していることは有利に働きやすいため、資格取得も視野に入れることがおすすめです。
参考:経理部の仕事内容とは|経理になるには?転職や就職に有利な資格を紹介!
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経理職は比較的転職が容易な分野であり、未経験者を対象とした求人数も数多くありますが、その中から自分自身にあった求人を見つけ出すのは意外と難しいものです。転職を成功させるためには、業界知識が深く、志望者のニーズやキャリア観にあった案件を提示できるコンサルタントの協力が欠かせません。
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2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。