総務職採用のコツは?手順や適性を見極めて優秀な人材を獲得しよう
企業のバックオフィスとして、あらゆる業務を多岐に担当する総務は重要な存在です。
総務担当者の採用を任されている採用担当者は多いでしょう。「総務を採用したいけど、なかなかうまくいかない」「優秀な総務担当者を採用するコツが知りたい」と考える採用担当者に向け、本記事では総務を採用するコツを解説します。
- 総務職採用の手順と人材確保のコツは?
- ステップ1:求人を決めたら事前に確認するべき事
- ステップ2:求人広告に掲載
- 総務採用の求人広告を書くコツ1:職種名は一般的な名称で
- 総務採用の求人広告を書くコツ2:仕事の概要やポジションを詳しく
- 総務採用の求人広告を書くコツ3:日々の職務内容は重要
- 総務採用の求人広告を書くコツ4:スキルや資格・ソフトスキルや特性
- ステップ3:面接を行う
- 質問例:前職の経験を総務の仕事にどう活かしたいか?
- 質問例:どのようなソフトウェアを使えますか?
- 質問例:総務スタッフの仕事に応募した動機は?
- サポートにやりがいを感じる人
- 臨機応変にマルチタスクができる人
- リスクマネジメントへの関心が深い
- コミュニケーションスキル
- PCスキル
- スケジュール管理能力
- 事務処理能力
総務職採用の手順と人材確保のコツは?
総務を採用する際の手順について、5つのステップで解説します。
自社が求めている人材を採用するために、準備すべき手順や優秀な人材からの応募を獲得するための手段を各ステップごとに解説しています。
1つずつ丁寧に確認し、採用の準備を進めてください。
ステップ1:求人を決めたら事前に確認するべき事
採用を開始する際に、事前に決めておくべきことが、採用すべき人物像、採用人数、採用条件です。
採用すべき人物像は、自社がどのようなスキルやマインドの人材を求めているかで異なります。まずは、この人物像を社内で統一するために、採用チームと総務部、経営者で認識のすり合わせをしておきましょう。
その後、決まった人物像は総務部に何名必要なのか、採用する人数を決めておきましょう。採用人数を決めないまま採用を開始してしまうと、採用予算のオーバーや、いざ稼働させてみたら業務量に対して人材不足だったという危機になりかねません。
同様に、採用条件も事前に決めておくべき内容です。どのくらいの給与を支給予定か、雇用形態など、事前に決めておくことで求人票作成をスムーズに行えます。
そのため、これらの要件は採用を開始する前に、前もって社内で認識確認をしておくようにしてください。
ステップ2:求人広告に掲載
採用を開始する際、求職者からの応募を獲得するために求人票を媒体に掲載することは必須です。
しかし、すべての媒体が応募獲得をしやすいわけではないので注意してください。媒体によって、専門分野や求人を見る求職者の職種や年齢層が異なります。自社はどのような人物を求めているかを確認してから、求める人物が使っているであろう媒体を利用するようにしてください。
媒体に登録している求職者のデータは、媒体を運営している企業やネットで調べると知ることができます。
媒体利用の際の注意点は、求人票に興味を持った求職者の応募が集まるため、必ずしも自社が求めているスキルを持った求職者からの応募だけが来るわけではありません。全く異なるスキルを持つ求職者からの応募が集まる可能性があるので、できる限り求人票には自社が求める人物像を具体的に記載し、ミスマッチを防ぐようにしましょう。
総務採用の求人広告を書くコツ1:職種名は一般的な名称で
求人票には、求職者が一目でわかりやすい職種名で記載するようにしてください。
総務の求人票で一般的に多いのが、総務スタッフ ・経理・総務事務 ・総務事務スタッフ ・総務 ・人事総務などの記載です。これらの記載は、求職者が求人票を見て一目でなんの職種かわかりやすいでしょう。
職種名がわかりやすいと、求人票を見る前から仕事に対するイメージができ、企業への親近感や関心を持てます。一方で、職種名が複雑でわかりにくい求人票だと、求人票の中身を見る気が起きず、なかなか応募を獲得できません。
そのため、求人票の職種名は必ずわかりやすい一般的な名称で記載するようにしてください。
総務採用の求人広告を書くコツ2:仕事の概要やポジションを詳しく
求人票には、総務の仕事内容やどのようなポジションで採用をするかを記載してください。
そもそも、なぜこのポジションを募集しているのか、採用背景は企業によって異なります。なぜ採用をしたいのか、企業の想いを求人票に記載することで、企業の雰囲気や今後の展望を求職者が知れるので、記載するのがオススメです。
その背景の結果、採用した際はどのような業務を任せたいか、どのようなポジション(リーダー・マネージャー・それ以外か)で活躍をしてほしいかを記載することで、求職者が入社後のイメージをしやすくなります。
入社後のイメージをしやすい求人票のほうが、求職者にとって理解しやすく、企業に対する関心が湧くので、できる限り詳しく記載するようにしてください。
総務採用の求人広告を書くコツ3:日々の職務内容は重要
総務業務は多岐にわたります。そのため、総務の求人票を作成する際は、具体的な日々の業務を記載するようにしましょう。
具体的には、以下の業務が考えられます。
- 文書作成
- データ入力
- 備品・消耗品管理
- 受付
- 電話応対業務
- オフィス内の簡単な清掃
- その他
一見、これらは社内の雑用に感じられがちですが、従業員が気持ちよく業務を行う上で必須な業務です。そのため、これらの業務を行うことで、企業にどのような効果があるか、また求職者にとってどのようなメリットがあるのかを記載することで、応募が獲得しやすくなります。
また、総務の組織についても説明をしてください。業務の責任者はだれか、自分がいざ入社した時誰に業務を教わり、業務の連絡をするのかを求職者がイメージしやすいようにするためです。
自分が入社した時のイメージがどの程度持てるかで、求職者の転職に対する不安は解消されます。できる限り具体的な内容で日々の業務を記載することは、求職者の安心にもつながるので、必ず記載してください。
総務採用の求人広告を書くコツ4:スキルや資格・ソフトスキルや特性
求人票に応募資格を詳細に記載することで、ミスマッチを防ぐ効果があります。
一般的に、応募条件には「必須スキル」「尚可スキル」「求める人物像」などがあります。
総務担当者には、基本的なPCスキルは必須です。また、経験者の採用を考えているならば、「実務経験〇〇年以上」と、どの程度の経験年数が必須かを求人票に記載するようにしてください。
ほかにも、学歴や保有資格、経験の有無、細かい作業が好きか、長期勤務をしてくれるかなど、求人票に記載しておくのもオススメです。
これらの要項を見て、求職者が自分の要望やスキルにマッチしていると感じた際、応募しようという意思になります。もし、自分には当てはまらない求人票だと判断をすれば、応募には繋がらず事前にミスマッチを防げるという面でも、具体的に記載するようにしてください。
ステップ3:面接を行う
総務を採用する際は、書類選考に加え必ず面接を実施するようにしてください。
面接回数は、2回から3回行う企業が多いです。面接官は、面接のフェーズによって異なりますが、あらゆる観点からの判断が必要なため、できれば複数で行うのがいいでしょう。
面接は、求職者が自社に向いているかを判断するだけではなく、求職者からこの企業は魅力的な企業かを判断される機会です。そのため、面接官は自社の魅力を最大限に伝えられる人を起用するようにしましょう。
面接では、求職者への質問だけでなく、自社に入社後のフォロー体制や、社内の雰囲気、キャリア育成について説明してください。その結果、求職者が自社に対して安心感や信頼ができ、入社意思につながります。
質問例:前職の経験を総務の仕事にどう活かしたいか?
面接では、質問内容によって求職者の能力をはかることができます。
たとえば、タスク管理やコミュニケーション能力がすぐれた人材を採用したい場合、求職者には「前職の経験を総務の仕事にどう活かしたいか?」のような質問をしてみるのがオススメです。回答によって、総務がそもそもどのような業務をするのか求職者の理解度を確認することができます。
総務の知識を持っている求職者であれば、知識を活かしながら実践で活躍してくれるため、自社で即戦力になってくれます。また、どのような経験をしたかで、入社後任せる業務が変わってくるので、この質問はオススメです。
求職者のスキル確認は、職務経歴書だけではわからないので、ぜひ試してみてください。
質問例:どのようなソフトウェアを使えますか?
求職者の持っているスキルや適性をはかるには、利用しているソフトウェアについて質問してみるのもオススメです。
利用経験があるソフトウェアを確認することで、自社で利用しているソフトウェアを使えるかの、新しいソフトウェアを習得する意欲や新しいソフトウェアに対する理解があるかを確認することができます。
また、総務ではレポート作成をする場面がまれにあります。この質問では、レポートの作成経験などについても確認することができるのでオススメです。
ソフトウェアの利用経験がない求職者も一定数いるので、その際はどのような質問で、スキルをはかるか、事前に質問内容は考えておくようにしましょう。
質問例:総務スタッフの仕事に応募した動機は?
この質問では、そもそもなぜ求職者が総務のキャリアを目指しているのか、キャリアビジョンや求職者のニーズを確認できます。
せっかく採用するならば、総務に対する意識や思いが強い人材を採用したほうがいいです。その点で、なぜ総務に応募をしたのかを求職者に確認することは、どの程度の意欲があるのか、総務に対する想いや熱意を確認することができます。
また、総務のキャリアを目指している求職者であれば、その考えやキャリアビジョンを聞き出すことで、自社で長期的に活躍してくれる人材なのかを判断することができます。
自社への志望動機と一緒に、なぜ総務なのかを確認することで、得られる情報はたくさんあるので、この質問を面接でしてみるのをオススメします。
ステップ4:採用者を選定
多くの応募が集まり、採用候補者が複数名いる場合は、慎重に選定をするようにしてください。
人物面、スキル、キャリアビジョン、希望条件などあらゆる面を比較した際、誰が1番自社にマッチしているかを判断するのは採用において重要です。
この判断を誤ってしまえば、ミスマッチな人材を採用することになってしまいます。ミスマッチな人材採用は、既存従業員との関係悪化や、利益損失、早期離職などあらゆるリスクがあります。
しかし、企業側が採用と判断し、オファーを出した以上簡単に解雇することはできません。従業員が企業で働き続けたいという意思がある限り、企業側からよっぽどの理由がない限りミスマッチな人材を解雇することができないので、採用者選定は慎重に行うようにしてください。
ステップ5:内定後のフォロー
採用する人材が決まった後は、内定通知後のフォローを徹底するようにしてください。
求職者によっては、いくつかの企業から内定が出ている場合があります。自社が内定を出したからと言って必ずしも入社してくれるとは限りません。他社の内定へ承諾してしまうことを防ぐためにも、内定を出してからのフォローをしっかりするようにしましょう。
内定後のオファー面談で、給与面の説明や入社後の受け入れ体制について改めて説明の場を設ける企業が多いです。オファー面談を実施することで求職者が「この会社なら信頼できる」と思える安心感や信頼関係を築くことができます。
自社への信頼がないまま内定を出し、そのまま放置してしまうと求職者はフォロー体制がある他社への入社を決めてしまう可能性があります。
そうならないためにも、必ず内定後のフォローは実施するようにしてください。
総務職に向いている人の特徴は?
総務に向いている人の特徴を解説します。
企業経営を支える縁の下の力持ちとして、多岐にわたる業務を担当する総務ですが、人によっては向き不向きがある職種です。どのような人材が総務に向いているかを理解することで、総務に適した人材を採用することができるので、参考にしてみてください。
サポートにやりがいを感じる人
総務は、バックオフィスとして企業の経営や他部署の業務が快適に行えるようにサポートする役目があります。
具体的には、社内インフラの整備や、備品・消耗品の管理など、従業員が安心して働くための環境つくりを担当します。いわば、さまざまな業務のサポートを一手に担う存在として企業にとって、欠かせないポジションといえます。
総務は決して、営業のように自ら利益を作りに行くような仕事ではありません。従業員が安心して働けるように環境整備をする目立たない業務が多いです。この業務を、地味だと感じる人は総務に向いていません。
一見事務に見える業務でも、自分が目立つことよりも「誰かをサポートして喜んでもらえること」にやりがいを感じることができる人であれば、総務の仕事に向いているといえます。
臨機応変にマルチタスクができる人
総務の仕事は多岐にわたるため、あらゆる業務に対して臨機応変に対応できる人が向いています。
総務の仕事は、どの部署の仕事にも当てはまらない業務を任されることが多いです。さまざまな業務が同時に任される場合が多く、マルチタスク状態で進行しなければならないことばかりです。そのため、ひとつのことに集中するのではなく、業務ごとに気持ちを切り替えて業務をこなす必要があります。
複数の仕事を同時にこなすと、進めていくうちに頭が混乱し、思考停止してしまう人もいます。そういった人は総務に向いていないです。
仕事を同時並行し「緊急度が高いもの」「重要だけど緊急度は高くないもの」など、今すぐすべき業務を分別し適切な行動をとれる人が総務に向いています。仕事内容だけを理解していても、優先順位を間違えて業務が滞ってしまうというケースは少なくないので、臨機応変に対応できる人が総務に向いているでしょう。
リスクマネジメントへの関心が深い
リスクマネジメントへの関心がある人は、総務に向いているといえます。
総務では、従業員の個人情報や企業の重要文書を扱う機会が多いです。これらの情報は、決して漏洩してはいけない内容であり、総務は危機管理への高い意識を持つことが必須です。
また、地震や火災などの災害に対するリスクマネジメントも、総務には必要な要素です。急な災害時、社内で事故が起きないように安全管理に対する事前対策や、従業員が起こしかねない不祥事に対する対策など、あらゆる危機への対策が総務には求められます。
そのため、総務には先を見据えた対策をするリスクマネジメントへの関心がある人が向いているといえます。小さなことでもトラブルにつながりそうなことには素早く気づき、対策を立てられる人でなければ総務の仕事は任せられません。
いざというとき、その場で焦って考えるのではなく「起きた場合にどうするか」という事前思考を持てる人が総務に向いているといえるでしょう。
総務職に求めるスキルは?
総務に求められるスキルについて、求職者が持っていると役立つスキルを解説します。
実務経験だけでなく、保有資格などスキルをはかることができる要因についても解説をしているので、参考にしながら採用活動を進めてみてください。
コミュニケーションスキル
仕事を円滑に進めるうえで、コミュニケーションスキルはどのポジションでも重要です。
特に、総務の仕事は他部署との連携や他部署からの依頼が多いため、コミュニケーションスキルは、総務に必須且つ最も重要なスキルと言えます。
総務のポジションでは、あらゆる部署や年齢層の人と会話をする機会が多いです。相手によって、依頼の仕方や話し方が異なるため、話を自分の中に落とし込みながら理解する力が求められます。相手の要望を的確に把握し、自分の業務に反映させることや、必要であれば他の人にわかりやすく伝えるコミュニケーションスキルが必要です。
社内の人だけでなく、業者など社外の人との関わりが多い総務では、円滑なコミュニケーションをとり周囲の人との良好な関係を築くことが大切なので、コミュニケーションスキルは必須といえます。
PCスキル
総務には、PCスキルが求められます。
社内に掲示するための文書作成や、備品管理の票作成、さらにはソフトウェアを用いた表計算や社内ツールの操作、プレゼンテーションソフトなどは使えたほうがいいので、PCスキルは必須だといえます。
また、企業によっては企業内のサーバー管理を任せる場合があるため、PC操作だけでなく社内のITインフラについての知識も持っているといいでしょう。特に、Wi-Fiなど、従業員が最も利用する社内ネットワーク知識を備えておくといざというときに必ず役に立つので、これらのスキルを持っている求職者の採用は積極的に行うようにしましょう。
スケジュール管理能力
総務は、マルチタスクを行うことが多いため、期限までに業務を的確に処理するためのスケジュール管理能力が必須です。
事務処理能力が高くても、任された業務がどのくらいの期間で完成するか、重要な業務なのか、緊急度が高い業務なのかで、業務にかかる時間や始める時期が異なります。
一つずつこなしていくのでは期限内に仕事を完了できない場合があるため、どの業務であれば同時並行で進めていけるか判断するために、スケジュール管理能力は総務に必須だといえます。
期日までに業務をこなせないと、従業員が安心して働くための環境整備ができないため、スケジュール管理能力を持つ求職者を採用するようにしてください。
事務処理能力
多岐にわたる業務を担当する総務では、事務処理能力も大切なスキルです。
任された業務の優先順位を自分でしっかり見極め、あらゆる業務を限られた時間の中で完璧にこなし、納品をする必要があります。
業務の優先順位を間違えてしまうと、決められた期日内に業務をこなすことができず、他部署への負担になりかねません。総務では、従業員の働きやすさをサポートするための業務が任されているため、必ず期日内に業務をこなせるように、事務処理能力は必須だといえます。
優秀な総務を採用し、企業経営促進へ
一見地味に見える総務の業務ですが、その業務内容は多岐にわたり、従業員が安心して働くために重要な役割を担っているといえます。この総務のポジションに優秀な人材を採用することで、企業経営に大きなメリットを及ぼすことができます。
今回紹介をした、採用の手順やポイント、総務に向いている人や総務に必須のスキルを改めて理解することで、自社で活躍する優秀な総務の採用を目指してください。
2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。