情報システム(情シス)担当者が取得するべき資格とは?オススメの資格やメリットを解説
情シス未経験者や現役の担当者の中には、取得すべき資格について気になる人は多そうです。情報系の資格は非常に多く、それぞれの内容がわかると今後自分が取得すべき検定が見えてくるでしょう。
この記事では、情シスにオススメの資格や取得によるメリットを解説します。
- 情シスに必要とされる資格は?
- ITパスポート
- 基本・応用情報技術者試験
- ITサービスマネージャ試験
- プロジェクトマネージャ試験
- ITストラテジスト試験
- ITILファンデーション
- システムアーキテクト試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- システム監査技術者試験
- Microsoft認定資格プログラム
- 情報セキュリティマネジメント(SG)
- AWS認定資格などのクラウドコンピューティング認定プログラム
- 情報処理安全確保支援士試験
- メリット1:新しい分野を学べる
- メリット2:習得した知識や資格によりモチベーションアップに繋がる
- メリット3:企業によっては手当が出るケースもある
- メリット4:就職や転職時に自分のレベルを証明することができる
- 社内のITサポート
- IT戦略の立案
- インフラの構築やネット環境整備
- PCなどIT機器の資産管理
- 社内の情報システムの導入と運用・保守
- サーバ・ネットワークに関する知識
- ExcelやWordなどのアプリケーション操作
- コミュニケーション・マネジメントスキル
- IT機器(ハードウェア)に関する知識
- エンジニアとしての方向性がはっきりする
- 現状の把握ができる
- スキルセットが把握できる
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情シスに必要とされる資格は?
ここでは情シスが取得できる資格を13個紹介するので、どのような知識を身につけられるか理解しましょう。
ITパスポート
ITパスポートとは、ITに関する基礎的な知識を証明できる国家資格のことです。ビッグデータやloT、アジャイルなどIT分野の新しい技術や手法について学べます。ほかにもマーケティングや財務、法務などITを活用できる幅広い分野が出題範囲です。ITの基本的な知識を身につけたい人や、バックオフィス職との連携が求められる立場の人に向いているでしょう。
基本・応用情報技術者試験
基本・応用情報技術者試験とは、ICTや情報処理分野の知識を証明できる国家資格のことです。難易度によって基本と応用に分かれているため、自身の習熟度に合わせて受験できます。基本情報技術者試験ではプログラミングを含めた基礎が、応用情報技術者試験ではシステム開発が出題範囲です。ITパスポート検定を合格し、一歩踏み込んだ内容を学びたい人に向いています。
ITサービスマネージャ試験
ITサービスマネージャ試験とは、SEの中でもシステムの運用管理責任者を対象とした検定のことです。運用管理やオペレーション、サービスデスクなどIT現場のリーダーとしての知識を習得できます。試験ではITに関する内容だけでなく、リスクやコスト管理などのビジネススキルまでが出題範囲です。コンサルやマネージャーなど、裁量権の大きいポジションを目指す人に向いています。
プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ試験とは、システム開発の現場で必要なマネジメント能力を問う検定のことです。システム開発のプロジェクトで、メンバーを指導するための基礎的な知識について出題されます。具体的な内容は、目的に沿った計画作成や関係者とのコミュニケーション、プロジェクトの改善方法などです。プロジェクトを指導する立場の人が、実務でのスキルを学びたい場合に向いているでしょう。
ITストラテジスト試験
ITストラテジスト試験とは、企業内でITを活用するために必要な知識を問う検定です。エンジニアの中でもマネジメント層に向けた内容ですが、プロジェクト遂行のための実務範囲も出題されます。ITを導入する環境の分析や、事業のフィードバック方法など技術者としての知識の出題も多いようです。プロジェクトを率いるリーダーとして、現場に携わりたい人に向いています。
ITILファンデーション
ITILファンデーションとは、ITサービスの提供により企業を目的達成に導くための基礎知識を問う試験です。ITサービス導入での成功事例をもとに、システムの正しい運用方法を習得します。難易度はITパスポートと同程度と言われており、情報技術の基本を身につけたい人にオススメです。学んだ知識はシステムの運用や保守にも活かせるため、今後の上流資格の取得にも繋がるでしょう。
システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験とは、情報システム戦略を立てる立場として必要な知識を問われる検定です。システムを戦略通りに実現するための分析から、情報を整理し開発を行う流れについて出題されます。システムアーキテクト試験の取得で証明できるのは、上流工程からの開発技術です。形のない段階から構想を練り、システムを実現できる力があることの証明に役立ちます。
ネットワークスペシャリスト試験
ネットワークスペシャリスト試験とは、大きく強固なシステムを構築し運用するスキルを問われる検定です。具体的には、情報システム基盤の全体をリーダーとして支えるための内容が出題されます。企業のネットワークを作成するには、組織からの要望を理解し要求に沿ったシステムの開発が必要です。必要な要件を理解した上でネットワークを構築すると、縁の下の力持ちとして組織に貢献できるでしょう。
システム監査技術者試験
システム監査技術者試験とは、独立的かつ客観的な立場でシステム評価を行うための知識を問う検定です。情報システムの発展で人々の生活は便利になっているものの、ネットワークの脆弱性や運用ミスは後を絶ちません。情報システムの安全性を高めるため、評価や報告を行うスキルについて出題されます。組織に対してプロ目線のアドバイスを行えると、健全な企業活動に貢献できるでしょう。
Microsoft認定資格プログラム
Microsoft認定資格プログラムとは、マイクロソフト製品の技能や知識を問う検定です。企業のほとんどがマイクロソフト製品を利用しているため、学びをすぐに実践できるプログラムとも言えます。プログラムは3つのレベルに分かれているため、段階的に取得し知識を深めるのもオススメです。受験予約にはマイクロソフトのアカウントが必要になるので、持っていない人はあらかじめ準備しておきましょう。
情報セキュリティマネジメント(SG)
情報セキュリティマネジメント(SG)とは、2016年からスタートした経済産業省認定の新しい国家資格です。近頃はどのような企業でも、情報漏洩やサイバー攻撃などのリスクに備えておく必要があります。情報セキュリティのプロとして、トラブル発生時の被害を最小限にとどめる対応に活かせるでしょう。難易度はITパスポートの1つ上のレベルとされているので、情報分野の基本に自信がある人にオススメです。
AWS認定資格などのクラウドコンピューティング認定プログラム
クラウドコンピューティング認定プログラムとは、IT基盤の基礎を問う試験です。近頃の企業は、サーバやネットワークを持たずクラウドを利用するケースが増えています。クラウドの運用管理を行うエンジニアとして、必要な知識を身につけられるプログラムです。クラウドエンジニアとしての技能を問う検定は、AWS認定資格や情報処理技術者試験などさまざま用意されています。
情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験とは、情報セキュリティの知識を証明できる国家資格です。試験では増加するサイバー攻撃に対応できるよう、セキュリティの確保や対応について問われます。情報系資格の中ではレベルが高いと言われており、2022年度春期の合格率は19.2%でした。難易度は高いものの情報系資格の中で唯一の士業であり、取得すると社会的な評価を期待できます。
情シスの資格取得の必要性とメリット
情シスとして資格取得を目指す人がいる中、実際の必要性やメリットを知らない人は多そうです。業界での知見を蓄えられ、企業から評価される可能性があることを理解しましょう。
メリット1:新しい分野を学べる
情シス経験の有無に関わらず、資格取得すると新しい分野を学べ転職やスキルアップに役立ちます。情報系分野の資格はレパートリーが多く、初級から上級までさまざまなレベルが用意されていることが特徴です。
情シス未経験者であれば資格勉強から基礎を学べるので、業界の理解にも役立ちます。情シス経験者でも、資格取得を苦手分野克服に活かせると働く上での助けになるでしょう。
メリット2:習得した知識や資格によりモチベーションアップに繋がる
情シス関連資格の取得自体が、モチベーションアップに繋がるケースは多いものです。情報系の資格は分野や難易度によるレベル分けがされており、思い立ったらすぐに学習を始められます。
初級レベルの資格からスタートすると、知識が増えて自信に繋がるでしょう。次第に難易度の高い資格にチャレンジすると、キャリアアップや転職の動機に繋がることもあります。
メリット3:企業によっては手当が出るケースもある
取得する資格や所属する企業によっては、合格後に手当が出るケースもあります。情シスの需要が高まる中、企業ではスキルが豊富で優秀な人材を求める動きが活発です。
資格は情シス部員のスキルを示す指標であるため、取得により手当が出るケースは多くあります。難易度の高い国家資格では、給与に5,000円から30,000円ほどプラスされる企業もあるようです。合格時にもらえる奨励金を設定している企業も多いため、学習のモチベーションに繋げましょう。
メリット4:就職や転職時に自分のレベルを証明することができる
資格を持っていると、就職や転職時に情シス部員としてのレベル証明に役立ちます。情シスで求められる実務スキルは複雑なため、転職活動での証明が難しいものです。
特に、経歴がない情シス未経験者には、自身のポテンシャルを示す材料が必要となります。資格は個人のスキルを示す一つの指標であり、転職の際に履歴書に記載できる内容です。情シス未経験者や上流工程を目指す人は、資格取得で自身のスキルをアピールしましょう。
情報システム(情シス)の仕事内容とは?
情シスへの転職を考える場合、まずは基本的な業務内容が気になるところです。情シスの基本的な仕事5つを知り、それぞれが重要な役割を果たすことを理解しましょう。
社内のITサポート
ヘルプデスクとして、社内でITトラブルの問い合わせがあった場合にサポートを行います。企業内の一部でシステムが止まると、最悪の場合全体に影響が出てしまう可能性もあるでしょう。
従業員がスムーズに業務を行えるよう、情シスはシステムの不具合や操作方法についての問い合わせ対応にあたります。規模の大きい企業では1日あたりの問い合わせが多く、ほかの業務が手につかないケースもあるようです。
IT戦略の立案
企業戦略に基づき、会社が利用するITシステムの方針や計画を策定します。情シスはシステム自体の設計を行うだけでなく、IT戦略のリーダーとして企業を率いるポジションです。
企業内で生じている課題に対して、ITを用いてどのように対処するか検討します。IT戦略やシステム企画は上流工程にあたる仕事であり、マネジメントやプロジェクト管理などの経験が必要です。
インフラの構築やネット環境整備
企業全体でシステムを円滑に利用するため、インフラの構築やネット環境設備の調整を行います。企業へのサーバ設置一つにしても、社内と社外のどちらに置くかの検討が必要です。
また、近頃ではAmazonやGoogleなどのクラウドサーバを利用する企業も増えています。どの方法にもメリットとデメリットがあり、運用方法やコストを考えながらの設置が必要です。情シスが企業のIT担当として、方針に合ったインフラやネット設備設計を行います。
PCなどIT機器の資産管理
社内で使用するPCや、そのほかのIT機器などの資産管理を情シスが担当します。従業員が使うPCやタブレット、プリンタやスマホは企業活動をする上で重要な資産です。IT機器は消耗品であり、使用状況の把握や新しいものへの入れ替えなど全体の管理が求められます。購入時期や保証期間など、機器一つひとつの情報管理も情シスの仕事の一つです。万が一買い替えが必要な際は、経理をはじめとする管理部門との連携が求められます。
社内の情報システムの導入と運用・保守
企業へ情報システムを導入し、従業員の声を聞きながら実際に運用していくのも情シスの仕事です。IT化を急速に進めている企業では、各部署からシステム導入の要望が入ってきます。
情シスは要望を聞きながら社内インフラを構築し導入することで、企業全体の効率化に貢献しているのです。一度導入したシステムは、業務プロセスの変更に応じて改善やメンテナンスまで行います。
情報システム(情シス)担当者に必要なスキル
情シスの仕事内容がわかったところで、業務で求められるスキルを知りたくなった人も多そうです。基本的なPC知識だけでなく、企業のIT担当として求められるスキルがあることを理解しましょう。
サーバ・ネットワークに関する知識
企業のIT担当として、サーバやネットワークに関する全般的な知識は持っておきたいものです。ネットの接続不良は、生じると仕事が成り立たないため問い合わせが非常に多い内容でもあります。
また、サーバには企業の重要な情報が保管されているため、管理不足は大きなトラブルのもとです。社内の情報セキュリティ担当でもある情シスには、サーバやネットワークへの広い理解が求められます。
ExcelやWordなどのアプリケーション操作
多くの企業で採用されている、ExcelやWordなどのアプリケーション操作の知識が求められます。IT化や電子化が進む中、アプリケーションをより効率的に利用しようと考える企業は多いでしょう。
成果物を完成させるにはどのように操作したらいいか、従業員に対してわかりやすくアドバイスするスキルが求められます。従業員の操作スキルがアップすると、情シスの負担軽減にも繋がり効率的です。
コミュニケーション・マネジメントスキル
情シスにはPCやITへの知識だけでなく、コミュニケーションやマネジメントスキルが求められます。情シスには日常的に他部署からの問い合わせがありますが、従業員が何を求めているかを理解できなければ解決に繋がりません。
従業員はITに詳しい人ばかりではないため、相手の話を聞きながらわかりやすい言葉で説明するスキルが必要です。日頃から従業員とのやり取りを大事にしていると、自身が困った時の助けにもなります。
IT機器(ハードウェア)に関する知識
情シスは、社内で利用するハードウェアに関する知識も持っていたいところです。近頃は、PCだけでなくタブレットやスマホなど、社内で利用するIT機器の種類が増えています。基本的な操作方法や設定、不具合にスムーズに対応するにはそれぞれのIT機器への理解が必要です。
情シスがIT機器の対応で学んだことは、マニュアルに落とし込み従業員に周知すると全体効率も高まります。
情シスにスキルマップが必要な理由とは?
スキルマップとは、個人の能力の見える化を行えるツールのことです。情シスがスキルマップを作ったほうがいい理由を知り、自身に必要な能力を知るきっかけにしましょう。
エンジニアとしての方向性がはっきりする
情シス部員が今後もエンジニアとして活躍する場合、スキルマップにより今後の方向性が明確になります。情シスの担当範囲は戦略策定から運用、セキュリティまでさまざまです。
スキルマップを作成し、得意不得意がわかると自分が将来エンジニアとして活躍できそうな分野が見えてきます。将来的な目標ができると、エンジニアとしての学習意欲が高まり情シスの仕事にも役立つでしょう。
現状の把握ができる
スキルマップを作成すると能力の状態を把握でき、自身の弱みの理解に役立てられます。自身の苦手分野について、具体的に理解できていない人は珍しくありません。スキルマップは情シスに必要な能力を項目で列挙し、数値で表します。
正しく作成すると、苦手分野や全体のバランスが把握でき取得すべき資格がわかるでしょう。弱みだけでなく強みの把握にも繋がるので、得意分野を伸ばしたい場合にも有効です。
スキルセットが把握できる
スキルセットとは能力の組み合わせのことであり、情シスとして必要な基礎力の把握ができます。前章で情シスの仕事内容を挙げましたが、求められるスキルは企業によってさまざまです。
スキルマップを活用し強化すべきポイントがわかると、企業が求める分野の能力向上に役立てられます。強化すべき分野がわかり、個人のスキル向上に向けた目標を設定できるツールです。
情報システム(情シス)関連の資格を転職やキャリアアップに役立てよう
情シス関連の資格は種類やレベルが豊富で、自身の習熟度に合わせてチャレンジ可能です。資格は自身のスキルを示す証明であり、順調に取得すると将来的にキャリアに良い影響が期待できます。自身のレベルに合わせた情シス関連資格を取得し、転職やキャリアアップに役立てましょう。
2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。