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簿記2級の合格率は変動が大きい!|簿記の資格を取得するメリットや活かせる仕事を紹介!

栗田 謙人
更新日:2023/10/04

簿記は企業の経営成績や財務状態を適切に管理し、経営管理能力を身につけるうえで必須のビジネススキルです。そのため簿記2級はキャリアアップを目指して資格取得を検討する方が多いでしょう。それでは実際に簿記2級がどのようなもので、何の役に立つかご存じでしょうか?ここでは簿記2級の特徴や資格を取得するメリットを紹介します。

目次
  • 簿記2級ってどんな資格?
    • 日商簿記のレベル区分
  • 簿記2級の概要
    • 簿記2級の合格率
    • 簿記2級の受験資格
    • 簿記2級の試験内容
    • ネットで試験を受けることもできる
    • 簿記2級の勉強方法
  • 簿記2級が活かせる仕事とは
  • 簿記2級を取得するメリット
    • 評価されやすく転職に有利
    • キャリア・年収アップしやすい
    • 幅広いビジネス知識が身に付く
  • 経理職への転職先を探すならSYNCAがおすすめ
  • 簿記2級は転職が有利になる傾向あり

簿記2級ってどんな資格?

簿記とは、「お金や財産に関する営業取引を帳簿に記録すること」をいいます。

簿記2級は、以下のように位置付けられています。

「経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つです。高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル」

引用元:簿記| 商工会議所の検定試験

簿記3級が業種・職種問わずビジネスパーソンが身に付けておくべき「必須の基本知識」であることからも、簿記2級を取得することでより経理・会計に関する専門知識を有していることを証明できるでしょう。

一括りに簿記2級といっても、そもそも簿記検定には4種類あります。以下に簿記検定の種類を紹介します。

簿記検定の種類

簿記検定の種類 日商簿記 全商簿記 全経簿記 日ビ簿記
検定名 簿記検定試験 簿記実務検定試験 簿記能力検定試験 簿記能力検定試験
主催者 日本商工会議所 全国商業高等学校協会 全国経理教育協会 日本ビジネス技能検定協会
対象 一般社会人 商業科・商業高校の高校生 経理・会計専門学校の学生 一般社会人
1級・2級・3級・簿記初級・原価計算初級 1級・2級・3級 上級・1級・2級・3級・基礎 1級・2級・3級

これらの中でも日本商工会議所が主催する日商簿記が最も規模が大きく、知名度が高いものとなっています。

毎年受験者数も多く、就職活動や転職活動でのアピール材料にするなら日商簿記がおすすめです。

日商簿記2級は年に3回試験が行われ、受験資格はないのでどんな人でも受けることができ、学生にも人気の資格です。

引用元:日商簿記公式HP

日商簿記のレベル区分

日商簿記は5つのレベルに分かれています。

原価計算初級は2018年から新しく施行された級です。そして初級はそれまでの4級に代わり2017年から施行された級です。どちらもインターネットで受験から採点、合否判定まで行われます。

前述の通り3級は簿記の基礎知識となるのに対し、2級は専門性が高くなるため「経理業務ができる人」として就職や転職活動でアピールできる級です。そして、1級は経営管理や分析を行うことができるレベルで、公認会計士や税理士など国家資格への登竜門とされています。

各級の特徴を以下の表にまとめました。

簿記のレベル 科目 対象者 難易度
1級 商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算 大企業経営者、会計指導者 合格率約10%
2級 商業簿記、工業簿記 中小企業経営者、会計主任 合格率15%
3級 商業簿記 中小企業経理部、一般記帳者、営業・管理部門 合格率45%
初級 商業簿記(入門) 商業簿記入門者 合格率約50%
原価計算初級 工業簿記(入門) 工業簿記入門者 合格率約90%

簿記2級の概要

日商簿記2級の試験は年に3回実施されます。

「統一試験」と呼ばれ、試験は記述式で時間は90分です。途中休憩はなく、商業簿記と工業簿記の2科目を時間内に終わらせる必要があります。試験会場では問題用紙・答案用紙・計算用紙が一体となった冊子が配布され、試験終了後に全て回収されます。

また、2021年からインターネットによる「ネット試験」も導入されており、ネット用試験会場で随時受験できます。

簿記2級の合格率

日商簿記2級の難易度は高めに設定されており、合格率は高くておよそ30%です。以下に直近10回の合格率をまとめました。

受験者数 合格者数 合格率
162回(2022/11/20) 15,570名 3,257名 20.9%
161回(2022/6/12) 13,118名 3,524名 26.9%
160回(2022/2/27) 17,448名 3,057名 17.5%
159回(2021/11/21) 22,626名 6,932名 30.6%
158回(2021/6/13) 22,711名 5,440名 24.0%
157回(2021/2/28) 35,898名 3,091名 8.6%
156回(2020/11/15) 39,830名 7,255名 18.2%
154回(2020/2/23) 46,939名 13,409名 28.6%
153回(2019/11/17) 48,744名 13,195名 27.1%
152回(2019/6/9) 41,995名 10,666名 25.4%

※155回は新型コロナの影響で中止

簿記2級の合格率は約8~30%と、実施回によってばらつきがあるのがわかります。低いときは1割に満たない回もあります。なお、合格ラインは2科目合計得点が100点中70点以上であることです。

合格率を他の試験と比較すると、税理士試験は15~20%、宅建士は15~18%、社労士6~7%となっています。

簿記2級の受験資格

日商簿記検定は誰でも受験することができ、特に受験資格はありません。そのため、初級、3級を受けずにいきなり2級を受験することもできます。 しかし日本商工会議所のHPでは、内容を深く理解し実践できるようになるためには下の階級から順に受験することを推奨しています。

簿記2級の試験内容

簿記2級の試験時間は90分です。大問が5つ出題され、第1問〜3問が商業簿記、第4~5問は工業簿記から出題されます。 試験時間は90分で、合格点は100点満点中70点です。

簿記検定2級の試験内容

  • 商業簿記・会計学:売買の取引を記録・計算する技能。適切、かつ正確な決算書作成を行うための知識
  • 工業簿記・原価計算:企業内部での資源コストを記録・計算するための知識

詳細な試験範囲は日商簿記の公式ホームページに一覧表で示されています。

参照:簿記検定試験出題区分表

ネットで試験を受けることもできる

簿記2級の試験は以前はペーパー試験のみでしたが、2021年からインターネットでも受験可能になりました。ネット試験といっても、自宅ではなく、ネット試験用のテストセンターへ赴いて、会場にあるPCで受験することになります。

なお、試験時間、出題範囲、受験料は共通で、難易度も変わらないとされています。ネット試験はテストセンター任意の日程で随時募集されているので、自身の通いやすい会場で好きな時間に受験することができます。

また、合否結果通知がペーパーだと2~3週間かかるのに対し、ネット試験では受験したその場で結果を知ることができます。以上を踏まえて、以下にネット試験とペーパー試験のメリット・デメリットを表にまとめました。

ネット試験(CBT試験) ペーパー試験
費用(税込) 4,720円 4,720円
メリット 受験日、受験会場が柔軟に選べ、近い日程で再受験できる 問題用紙に書き込みができる
デメリット パソコンの操作に慣れていないと回答しづらい 年に受ける回数は上限3回

ネット試験とペーパー試験、それぞれの利点を比較して、自分にあった受験方法を選択しましょう。

簿記2級の勉強方法

先に紹介した合格率からもわかるように、簿記2級合格はなかなかにハードルが高く、合格までの道のりが途方もないものに感じるかもしれません。

簿記2級合格のために必要な勉強時間は250~350時間といわれています。これは、1日3時間勉強するとして3~4か月かかる計算です。

資格の専門学校や通信講座を受講するほか、中には独学で合格する人もいます。効果的な勉強方法は、参考書と問題集をそれぞれ1冊に絞って、2周、3周と何度も繰り返し苦手をつぶすことです。

簿記2級が活かせる仕事とは

簿記3級が簿記の基礎範囲で、簿記2級はより実務レベルに近い内容を習得できます。そのため、簿記2級以上の資格保有者は一定以上の知識を持ち、企業の即戦力になる人材とみなされます。これが簿記2級以上を持っていると就職や転職に有利となる所以です。

それではその簿記2級が活かせる仕事を以下に紹介します。

【簿記2級以上が活かせる仕事】

  • 中小企業の経理部
  • 会計事務所
  • 保険会社
  • 証券会社
  • 銀行
  • 資格スクールの講師
  • 経営コンサルタント

簿記2級を取得するメリット

簿記2級を取得するメリットは以下の通りです。

簿記2級を取得するメリット

  • 評価されやすく転職に有利
  • キャリア・年収アップしやすい
  • 幅広いビジネス知識が身に付く

それぞれについて解説します。

評価されやすく転職に有利

簿記2級以上の資格保有者は、実務レベルの簿記・会計の知識があるとみなされ、転職の際に有利です。また、簿記2級以上の資格は経営管理にも役立ちます。経理からの経営アドバイスを求める企業が多く、簿記2級以上取得者の転職市場価値は高い傾向にあります。

未経験からの転職でも、知識があり即戦力となる人材とみなされるため、有利に働きます。

キャリア・年収アップしやすい

簿記2級以上を取得していると、キャリアアップや年収アップにつながりやすくなります。

その理由は、資格手当などを設けている企業が多いことです。

また、経理の観点から会社の経営状況を見られるようになるため、管理職や経営者へとキャリアアップしやすくなるでしょう。中小企業での経理経験を足掛かりに、大企業の経理へ転職してステップアップすることも可能です。

幅広いビジネス知識が身に付く

簿記2級以上の資格があると、幅広いビジネスの知識が身に付きます。

まず、財務諸表を見て企業の経営状況を把握できるようになります。そして、経理以外の仕事をしていたとしても、自身の仕事が財務諸表にどのように記録されるかがわかるので、ロスを減らしやすくなり業績アップにつながります。

さらに、簿記の書類と数字から、取引そのものが見えてくるようになります。また自社の強みや問題点を財務諸表から把握することもできるようになります。

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簿記2級以上を取得できれば、転職の幅も広がるでしょう。経理や会計、財務関連の転職を考える方は、ぜひSYNCAをご利用ください。

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簿記2級は転職が有利になる傾向あり

日商簿記2級は社会的に信頼性の高い資格で、実務レベルの経理スキルを証明できます。 そのため即戦力と見なされ、未経験でも就職、転職が有利となる傾向があります。

難易度は高めですが、しっかり準備すれば独学でも合格可能です。今後キャリアアップを目指す方にとって、簿記2級は持っていて損はしない資格といえるため、ぜひ自身のキャリアに役立ててください。

株式会社WARC HRtech CSマネージャー 栗田 謙人

2021年にSYNCAのカスタマーサクセスとしてWARCにジョイン。コーポレート領域に特化し、求職者の転職支援から企業の採用支援の双方に従事し、BizDevとしても機能の企画立案などに携わる。